ドライアイ

[No.4298] 第64回LIMEセミナー: ドライアイを伴う眼瞼痙攣の理解と包括的治療の実際 ;告知

LME研究会 1月13日(火) 20;00-21:00 (オンラインセミナー ネット配信)

講演タイトル: ドライアイを伴う眼瞼痙攣の理解と包括的治療の実際    自由が丘清澤眼科 清澤源弘

要旨; 眼瞼痙攣は、ドライアイを高頻度に合併する疾患であり、ドライアイ診療に携わる先生 方にもぜひ認識していただきたい病態です。眼瞼痙攣は単なる「まぶたのけいれん」で はなく、①眼を開けていられないという運動症状、②通常以上にまぶしく感じるといっ た感覚過敏、③それらを回避しようとすることで生じる抑うつ気分や不安といった精神 症状の三要素から成り立っています。したがって、治療にあたってはこれら三つの側面 を幅広く意識した対応が重要になります。 一般には眼瞼痙攣の治療というとボツリヌス毒素注射(ボトックス)だけが注目されが ちですが、それだけでは十分とは言えません。私は「眼瞼痙攣治療を成功させる10のコ ツ」として、温罨法やリッドハイジーン、さらに液体コラーゲンプラグの活用を含めた 包括的な対応を提唱しています。 初診時には、若倉表を用いたスクリーニングが有用です。日常生活に関する質問項目の うち、◎が3つ以上あれば眼瞼痙攣を疑います。さらに、速瞬・軽瞬・強瞬の3項目を各 3点、計9点で評価することで、その時の症状の重症度を定量化します。この評価は、次回以降のボトックス治療時に前回との比較を行ううえで役立ちます。 また、眼瞼下垂や白内障などの眼科手術歴、ベンゾジアゼピン系薬剤の常用歴(デパス 等による薬剤性眼瞼痙攣もある)など、背景因子を把握するための専用チャートも活用 しています。加えて、抑うつ症状の評価にはCES-Dを用い、16点以上の場合には精神的 側面への配慮も必要と判断します。 ドライアイの評価としては、涙液メニスカス高、涙液層破壊時間(BUT)、角結膜上皮 障害(SPK)をルーチンに確認します。マイボーム腺機能不全が疑われる場合には、温 罨法とリッドハイジーンを基本とし、有田先生・川島先生によるライム研究会の教育ビ デオを用いさせていただき患者を指導しています。私自身はティーツリーオイルを用い たクレンジングを推奨しています。 ドライアイを合併する眼瞼痙攣患者さんでは、ボトックス治療と同時に液体コラーゲン プラグを併用することで、症状の安定化が得られることが少なくありません。2~3か月 ごとの定期的なボトックス投与に同意が得られた場合には、プラグ併用も含めた中長期 的な治療計画を立てます。 感覚過敏による羞明に対しては、FL-41遮光眼鏡の使用を勧めています。私は既製品が あるためエッシェンバッハ社製のオーバーグラスタイプを紹介しています。抑うつ傾向 がみられる場合には、まず抑肝散加陳皮半夏を用い、必要に応じてリボトリールを1日1 錠まで併用します。近年の国際的な調査でも、この併用は比較的広く行われています。 慢性的な痛みや強い気分抑鬱を伴う患者さんには、より気長で全人的な対応が求められ ます。単に「ドライアイ治療にボトックスを加えればよい」という発想ではなく、神経 ・精神・身体の側面を含めた包括的な理解が重要です。そのため私は臨床心理士をチー ムに加え、心理学的アプローチも取り入れながら、難治性の眼瞼痙攣患者さんの治療に 取り組んでいます。

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