提示されている所見(ハードコンタクトレンズ装用者/角膜下半に円形で比較的境界明瞭な表層混濁/フルオレセインで淡く染色/軽度の異物感)。対側は点状表層角膜炎が角膜下半に集簇。から、臨床的にまず考えるべき鑑別疾患を、可能性の高い順に整理します。
① コンタクトレンズ関連角膜上皮障害
(Contact lens–related superficial keratopathy)
最も考えやすい診断です。
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機序
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ハードCLの機械的刺激
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下方視時や瞬目時にレンズ下縁が下方角膜を反復擦過
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所見の特徴
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角膜下半部に一致
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円形〜半月状の表層混濁
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フルオレセインで淡く染色
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軽度の異物感
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補足
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レンズ径・ベースカーブ不適合
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レンズ下への異物混入
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装用時間の延長
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★ 本症例の記載と最も整合的です。
② 角膜上皮びらん(限局型)
(Superficial punctate keratitis / focal epithelial erosion)
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機序
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CL装用による微小外傷
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乾燥・瞬目不全・角膜表層脆弱性
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所見
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混濁+淡い染色
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円形・限局性
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症状
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異物感は軽度〜中等度
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★ ①とオーバーラップする概念で、臨床的には同一連続上と考えてよい。
③ 初期の角膜無菌性浸潤
(Sterile peripheral corneal infiltrate)
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機序
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CL関連の免疫反応性変化
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所見
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表層〜浅層の混濁
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フルオレセイン染色は軽度
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発赤は乏しいことも
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症状
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異物感は軽度
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👉 明らかな疼痛や強い充血がなければ感染性は低いが、経過観察は重要。
④ 角膜輪部付近の摩擦性角膜混濁
(Contact lens–induced corneal warpage / frictional opacity)
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特徴
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ハードCL長期装用者
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下方〜周辺部に円形・帯状の混濁
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染色
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軽度〜不均一
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鑑別点
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角膜形状変化(トポグラフィ)
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⑤ 初期感染性角膜炎(可能性は低いが除外は必要)
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否定的所見
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強い疼痛なし
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明らかな濃染なし
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混濁が薄い
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ただし
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CL装用者では初期像が非典型のことあり
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👉 経過悪化・疼痛増強・充血出現で再評価必須。
実臨床での対応の要点
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まず
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ハードCL装用中止(数日)
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治療
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人工涙液/ヒアルロン酸点眼
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上皮障害があれば抗菌点眼を短期併用
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確認
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レンズフィッティング(特に下方)
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レンズ縁の欠け・異物
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フォロー
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1–3日で再診し、混濁と染色の消退を確認
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まとめ(結論)
本症例で最も考えられるのは
**ハードコンタクトレンズによる機械的刺激に伴う角膜上皮障害(CL関連表層角膜症)**です。
感染性角膜炎を強く示唆する所見は乏しいものの、
CL装用者である以上、短期フォローでの慎重な経過観察が重要です。



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