白内障

[No.4348] ハードコンタクトレンズ装用者に見られたレンズ装用時に少し痛みがあり小さくて円形、表層性の病変:コンタクトレンズ関連角膜上皮障害

提示されている所見(ハードコンタクトレンズ装用者/角膜下半に円形で比較的境界明瞭な表層混濁/フルオレセインで淡く染色/軽度の異物感)。対側は点状表層角膜炎が角膜下半に集簇。から、臨床的にまず考えるべき鑑別疾患を、可能性の高い順に整理します。


① コンタクトレンズ関連角膜上皮障害

(Contact lens–related superficial keratopathy)

最も考えやすい診断です。

  • 機序

    • ハードCLの機械的刺激

    • 下方視時や瞬目時にレンズ下縁が下方角膜を反復擦過

  • 所見の特徴

    • 角膜下半部に一致

    • 円形〜半月状の表層混濁

    • フルオレセインで淡く染色

    • 軽度の異物感

  • 補足

    • レンズ径・ベースカーブ不適合

    • レンズ下への異物混入

    • 装用時間の延長

★ 本症例の記載と最も整合的です。


② 角膜上皮びらん(限局型)

(Superficial punctate keratitis / focal epithelial erosion)

  • 機序

    • CL装用による微小外傷

    • 乾燥・瞬目不全・角膜表層脆弱性

  • 所見

    • 混濁+淡い染色

    • 円形・限局性

  • 症状

    • 異物感は軽度〜中等度

★  ①とオーバーラップする概念で、臨床的には同一連続上と考えてよい。


③ 初期の角膜無菌性浸潤

(Sterile peripheral corneal infiltrate)

  • 機序

    • CL関連の免疫反応性変化

  • 所見

    • 表層〜浅層の混濁

    • フルオレセイン染色は軽度

    • 発赤は乏しいことも

  • 症状

    • 異物感は軽度

👉 明らかな疼痛や強い充血がなければ感染性は低いが、経過観察は重要。


④ 角膜輪部付近の摩擦性角膜混濁

(Contact lens–induced corneal warpage / frictional opacity)

  • 特徴

    • ハードCL長期装用者

    • 下方〜周辺部に円形・帯状の混濁

  • 染色

    • 軽度〜不均一

  • 鑑別点

    • 角膜形状変化(トポグラフィ)


⑤ 初期感染性角膜炎(可能性は低いが除外は必要)

  • 否定的所見

    • 強い疼痛なし

    • 明らかな濃染なし

    • 混濁が薄い

  • ただし

    • CL装用者では初期像が非典型のことあり

👉 経過悪化・疼痛増強・充血出現で再評価必須。


実臨床での対応の要点

  • まず

    • ハードCL装用中止(数日)

  • 治療

    • 人工涙液/ヒアルロン酸点眼

    • 上皮障害があれば抗菌点眼を短期併用

  • 確認

    • レンズフィッティング(特に下方)

    • レンズ縁の欠け・異物

  • フォロー

    • 1–3日で再診し、混濁と染色の消退を確認


まとめ(結論)

本症例で最も考えられるのは

**ハードコンタクトレンズによる機械的刺激に伴う角膜上皮障害(CL関連表層角膜症)**です。

感染性角膜炎を強く示唆する所見は乏しいものの、

CL装用者である以上、短期フォローでの慎重な経過観察が重要です。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。