ご近所の話題

[No.4496] 門前仲町の路傍の水盤に、色とりどりの花が敷き詰められていました。


門前仲町の路傍の水盤に、色とりどりの花が敷き詰められていました。

 私は、嬉しいことや少し心が揺れる出来事があると、門前仲町の不動堂(成田山新勝寺東京別院)へ足を運びます。本日は慶事のお礼参りでした。

 竜神様に感謝の言葉を書いて水に浮かべると、やがて短冊が水に溶け、願いが届くといわれています。その静かな時間が、私にとっては大切なひとときです。

参拝の後、人情深川ご利益通りを歩いていると、路傍の水盤に花が浮かべられている光景に出会いました。水面いっぱいに広がる花々は、まるで小さな花の絨毯のようで、思わず足を止めました。

写真をもとに調べてみると、オレンジのガーベラ、淡いピンクのカーネーション、幾重にも重なる花弁が美しいラナンキュラス、縁が波打つ赤や黄色のグロリオサ、そして丸い小菊(スプレーマム)などが見受けられるようです。周囲には光沢のあるハート形の葉も添えられており、アンスリウムの葉でしょうか。いずれも華やかでありながら、水面に浮かぶことでどこか落ち着いた印象も与えていました。

■なぜ水盤に浮かべるのでしょうか

切り花は十分に水を吸わせることで鮮度が保たれます。水面に浮かべる演出は、花の乾燥を防ぐ実用的な意味に加え、見た目にも涼やかさを感じさせてくれます。水面は光を反射するため、花の色がより鮮やかに見えることもあります。特に赤やオレンジの花は、水の反射によって色彩がいっそう引き立つように感じられます。自然の光と水の作用が、さりげなく美しさを高めているのでしょう。

■街と視覚の関係

都市の中に花があることは、単なる装飾以上の意味を持つように思います。緑や赤といった自然の色は、心理的なを和らげる効果があるといわれています。デジタル機器に囲まれた生活のなかで、こうした自然の色彩に触れることは、目だけでなく心にもやさしい刺激となります。ちょうど梅の花も咲き始めており、季節の移ろいを感じることができました。

門前仲町の水盤は、光や色、反射といった視覚の要素をさりげなく取り入れた小さな作品のようでした。眼科医としての立場からも、改めて色彩と光の関係に目を向けさせてくれる風景でした。街角で花を見かけたとき、ほんの少し立ち止まり、色や光の変化を意識してみるのも楽しいものです。

参拝の後は、南砂町清澤眼科時代から顔なじみの鰻屋「大和田」さんへ。茅場町や深川では鰻が名物ですが、今日は久しぶりに美味しいうな重をいただきました。心もお腹も満たされ、穏やかな一日となりました。

注:兜町は証券街として栄え、験担ぎに鰻を食す文化が根付きました。深川は門前町として発展し、江戸前の蒸し焼き鰻が親しまれてきました。いずれも江戸の町人文化を背景に、滋養と粋を象徴する味として今に伝わる地域の食文化です。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事

  1. 門前仲町の路傍の水盤に、色とりどりの花が敷き詰められていました。

  2. 3月頃から増える「黄砂による目・鼻の不調」―結膜炎と鼻炎をどう説明するか

  3. 「老害」と「イヤ汁」という言葉から考えたこと ― 若者との対話における自省