株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所からのプレスリリースの抜粋です。緑内障治療用の合剤がまた増えました。
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緑内障・高眼圧症治療剤「K-232(販売名:グラアルファⓇ 配合点眼液)」の国内製造販売承認取得のお知らせ
当社が創製した Rho キナーゼ 阻害薬リパスジル塩酸塩水和物につき、ライセンスアウト先の興和株式会社(以下、「興和」)より、リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩との配合点眼剤「 K-232」(以下、「本剤」)が、緑内障・高眼圧症を適応症として、 2022 年9月 26 日付で、国内製造販売承認を取得した旨の連絡を受けましたのでお知らせいたします。
本剤は、Rho キナーゼ阻害薬の「グラナテックⓇ 点眼液 0.4%」の有効成分リパスジル塩酸塩 水和物と、アドレナリ ンα2 受容体作動薬のブリモニジン酒石酸塩を含有する世界で初めての組み合わせの配合点眼剤です。既存の配合点眼剤と薬理学的な作用点 が異なるため、様々な緑内障・高眼圧症治療 剤との併用 が可能となります。
国内で実施された開放隅角緑内障または高眼圧症の患者様を対象とした臨床試験では、リパスジル塩酸塩水和物またはブリモニジン酒石酸塩に対して本剤による眼圧下降 の追加効果 が確認され 、また、既存の緑内障・高眼圧症治療剤との 併用
等による検討では、長期投与における眼圧下降効果の維持と安全性が確認されました。
グラナテック Ⓡ 点眼液 0.4%について
グラナテックⓇ 点眼液 0.4%は、興和が 2014 年 12 月よ り日本国内販売をしている世界初の作用機序を有する緑内障・高眼圧症治療剤であり、Rho キナーゼを阻害することにより、線維柱帯-シュレム管を介する主流出路からの房水流出を促進することで眼圧を下降させます。
日本で実施した原発開放隅角緑内障及び高眼圧症の患者様を対象とした臨床試験において、グラナテックⓇ 点眼液 0.4%は、単独での使用及び既存の緑内障・高眼圧症治療剤と併用での使用のいずれの場合でも、眼圧下降効果を示すことが確認されております。
用語解説
(注1)Rho キナーゼ(ROCK:Rho-associated, coiled-coil containing protein kinase)
Rho キナーゼはタンパク質リン酸化酵素(プロテインキナーゼ)の一つであり、Rho-ROCK 経路を介する多彩な細胞応答の制御機構に関与する酵素です。
(注2)ブリモニジン酒石酸塩
ブリモニジン酒石酸塩を有効成分とする点眼剤は、アドレナリンα2 受容体に作用し、房水産生の抑制及びぶどう膜強膜流出路を介した房水流出の促進により眼圧下降を示します。緑内障・高眼圧症を適応症とする点眼剤として、米国を始
めとして多くの国で販売されております。
(注3)緑内障・高眼圧症
緑内障とは、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患です。適切に治療されずに放置すると視野狭窄から失明に至る疾患で
あり、日本の中途失明原因の第一位(2005 年)となっております。また、高眼圧症とは、視野狭窄が無いものの、眼圧が正常値を超えている病態です。
現在、緑内障のエビデンスに基づいた唯一確実な治療法は、「眼圧を下降すること」とされており、原発開放隅角緑内障(広義)に対する治療では、薬物治療が第一選択とされております。
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