最近、網膜に関する講演を聞くと必ずというほどに出てくるのが脈絡膜の肥厚する(うっ血する)というパキコロイドという概念です。この脈絡膜が論じられる場面では、眼科医の予備知識として、脈絡膜の基本的解剖を知っている必要があります。専門医試験を受ける、または最近パスした方には常識でしょうけれど、知識が古い開業医には当然の知識とは言い難いものです。そこで今日はその復習をしてみます。
脈絡膜choroidal membraneの4つの層について説明してみましょう。それぞれの名前、機能、特徴的な見え方とその意義を述べます。
上脈絡板Suprachoroidal Lamina (Lamina Fusca):
- 機能: 脈絡膜と強膜の間の移行ゾーンとして機能します。
- 特徴: コラーゲン繊維、線維芽細胞、メラノサイトを含みます。薬物投与や外科的介入に使用できる潜在的な空間があります。
脈絡膜実質Choroidal Stroma:
- 機能: 構造的な支持を提供し、血管を収容します。
- 特徴: 2つのサブレイヤーに分かれています:
- ハーラー層Haller’s Layer: 大きな血管を含みます。
- サッター層Sattler’s Layer: 中程度の大きさの血管を含みます。
脈絡膜毛細血管Choriocapillaris:
- 機能: 外側の網膜に酸素と栄養を供給します。
- 特徴: 網膜の健康に不可欠な密な毛細血管ネットワークで構成されています。
ブルッフ膜Bruch’s Membrane:
- 機能: 障壁および支持構造として機能し、網膜と脈絡膜の間で栄養と廃棄物の交換を促進します。
- 特徴: 薄く、多層構造で、脈絡膜と網膜色素上皮を分離します。
これらの層は、網膜の健康と機能を維持し、視覚において重要な役割を果たしています。
上の内容を説明しているのが下のビデオです。(インド人特有なアクセントが特徴的ですが、内容は十分です。)
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