失明や死亡報告も…米国で市販の目薬による感染症が拡大のナゼ?
清澤のコメント:米国眼科学会で話題になっている事件です。
写真はイメージ(C)iStock
先週末、米国眼科学会がサンフランシスコで開催された。同学会会員で「自由が丘清澤眼科」の清澤源弘院長に届いた学会からの案内メールでは、米国内で市販の点眼薬による死亡事故が起きていて、世界の眼科医に警告が発せられているという。 それによると、2022年5月から2023年4月までに敗血症による死者が複数発生、少なくとも1人の患者から薬剤耐性緑膿菌が検出されたという。 発端は2022年5月に報告された2件の症例報告で、その後全米各地で感染者が増加。米国疾病対策センター(CDC)の調べによると目薬による感染は今年1月31日時点で少なくとも12州で55人に上り、1人の失明、1人の死亡が確認されたという。 その後、原因の調査が進められ、インドの製薬会社の点眼薬が原因だったことが判明。同製品に混入した薬剤耐性緑膿菌によるものとみられている。この点眼薬は米国の製薬会社2社を通じて米国内で販売されていた。インドの製薬会社は2月1日に使用期限前の同点眼薬の自主回収を発表した。 また、米国食品医薬品局(FDA)は2月2日に該当する点眼薬について、混入した薬剤耐性緑膿菌が感染症を引き起こす恐れがあるとして消費者に使用中止を勧告した。 これらの情報は米国では印刷物や放送、電子メディアなどで大きく報じられた。にもかかわらず、半年以上経ったいまも新たな感染者が現れていることに驚かされる。ちなみに日本では、「米国での感染事例については把握している。日本では承認されていない製品であり、日本での被害は起きていない」(厚労省担当者)という。
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