コラーゲン製涙点プラグに関する説明文を、一般の方にもわかりやすく、かつ臨床現場での操作がイメージできるように構成しました。
ドライアイに対する「涙点プラグ」とは?
― コラーゲン製プラグの役割と挿入方法 ―
目が乾いてゴロゴロする、夕方になるとかすんで見える、まばたきのたびに違和感がある――そんな症状をお持ちの方は、「ドライアイ」の可能性があります。ドライアイとは、涙の分泌が少なくなったり、涙がすぐに蒸発してしまうことによって、目の表面が乾燥して炎症を起こす病気です。
涙の量を増やすために点眼薬(人工涙液やヒアルロン酸)を使っている方も多いと思いますが、それでも効果が不十分な場合に用いられるのが、「涙点プラグ」と呼ばれる治療法です。今回はその中でも「コラーゲン製の涙点プラグ」(商品名:キー王ティア)について、ご紹介します。
涙点とは?
目には「涙点(るいてん)」という小さな穴が、上下のまぶたの目頭側に一つずつ開いています。これは、涙が目の表面から鼻の奥に排出される出口のようなものです。つまり、涙点をふさぐことで、目の表面に涙が長くとどまり、目の乾燥を防ぐ効果があります。
コラーゲン製プラグの特徴
涙点をふさぐ方法の一つとして、「プラグ」と呼ばれる小さな栓を涙点に差し込む方法があります。プラグにはシリコン製などの半永久的なものもありますが、「コラーゲン製プラグ」は柔らかく液体で、一定期間で自然に吸収されて体に残らないのが特徴です。
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数日〜1週間程度で溶けて体に吸収される
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副作用や異物感が少ない
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初めて涙点プラグを試す方に向いている
このため、まず試験的にプラグを使ってみたいという方に、特におすすめの方法です。
実際の挿入手順
涙点プラグの挿入は、ごく短時間で終わる外来処置です。麻酔はほとんど必要なく、痛みもほとんど感じません。
以下が、コラーゲン製プラグ挿入の流れです:
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ベッドに仰向けに寝ていただきます
患者さんには診察室内の処置ベッドに仰向けに寝ていただき、リラックスしてもらいます。 -
点眼麻酔を使用
目の表面に軽く麻酔の点眼薬をさして、処置中の違和感を軽減します。 -
涙点の位置を確認
医師が手術用顕微鏡を使って、下まぶた(または上まぶた)の涙点を丁寧に確認します。 -
コラーゲンプラグを注射器で注入
細い注射器のような器具(実際には針のない専用アプリケーター)を使って、ゼリー状に加工されたコラーゲンプラグを涙点にそっと注入します。 -
数秒で終了
プラグは自然に涙点の中で膨らんでフィットします。処置自体は片眼につき数十秒で終了します。
挿入後の注意点
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当日は激しい目のこすりは避けてください。
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入浴や洗顔は通常通り可能ですが、強く目を押したりしないようにしてください。
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数日〜1週間で自然に体内に吸収されます。
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涙がしっかり保持されるため、ドライアイの症状が改善することが多いです。
最後に
コラーゲン製涙点プラグは、一時的に涙の出口をふさぐ安全な治療法として、特に高齢者の方や点眼が効きにくい方に適しています。また、「試してみて効果があったらシリコン製プラグを考える」という選択も可能です。
ドライアイでお困りの方は、点眼だけでなくこのような涙点プラグ治療の選択肢があることを知っていただければと思います。気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
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