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[No.4459] 高齢者に多い「マイボーム腺機能低下」とは:

高齢者に多い「マイボーム腺機能低下」とは

まぶたの縁には「マイボーム腺」という脂(あぶら)を分泌する小さな腺が並んでいます。この脂は涙の一部として、涙の蒸発を防ぎ、目の表面をなめらかに保つ大切な役割を担っています。

マイボーム腺機能低下(MGD)とは、この腺が詰まったり、分泌される脂の質が悪くなったりして、涙の安定性が低下する状態です。加齢により腺の働きが衰えるため、高齢者では特に起こりやすくなります。

自覚症状 ―「乾く」だけではありません

MGDでは、単なる「目の乾き」だけでなく、次のような症状がよく見られます。

  • 目がゴロゴロする、異物感がある

  • しょぼしょぼして開けにくい

  • かすんで見えるが、まばたきすると一時的に改善する

  • 目が疲れやすい

  • 目やにが増える、朝まぶたがくっつく

  • 充血しやすい

高齢の方では「年のせい」「白内障のせい」と思われがちですが、MGDが関与していることも少なくありません。

診察で分かる所見

眼科診察では、以下のような所見が参考になります。

  • まぶたの縁が赤く、軽く炎症を起こしている

  • マイボーム腺の出口が詰まり、白く濁った脂がにじむ

  • まつ毛の根元にフケ様の付着物がある

  • 涙の膜が不安定で、すぐに乾いてしまう

これらは顕微鏡検査や簡単な圧迫で確認できます。

基本治療① 温罨法(おんあんぽう)

温罨法はMGD治療の基本です。

40℃前後の温かさでまぶたを温めることで、固くなった脂が溶け、マイボーム腺の流れが改善します。

やり方の目安

  • 蒸しタオルや市販のアイマスクを使用

  • 1回5~10分、1日1~2回

  • 「気持ちよい温かさ」を保つことが大切

毎日続けることで効果が出やすくなります。

基本治療② リッドハイジーン(まぶたの清潔ケア)

温罨法の後に行うとより効果的です。

まぶたの縁にたまった皮脂や汚れ、細菌をやさしく取り除きます。

ポイント

  • 専用の洗浄シートや泡タイプ洗浄剤を使用

  • ゴシゴシこすらず、まつ毛の根元をなでるように

  • 1日1回を目安に習慣化

清潔を保つことで、再び詰まるのを防ぎます。

そのほかの対策

温罨法とリッドハイジーンに加え、次のような工夫も有効です。

  • 人工涙液点眼:脂層を補うタイプが有効なこともあります

  • 瞬目(まばたき)を意識:特にテレビやスマートフォン使用時

  • 室内環境の調整:加湿、風が直接当たらない工夫

  • 食事の工夫:青魚に含まれるω3脂肪酸は脂の質改善に役立つ可能性

  • 必要に応じた内服・点眼治療:炎症が強い場合は医師が判断します

おわりに

マイボーム腺機能低下は、**「年齢とともに起こりやすいが、日常ケアで改善が期待できる病態」**です。

目薬だけに頼らず、温罨法とリッドハイジーンを生活習慣として取り入れることが、症状軽減への近道になります。

気になる症状が続く場合は、自己判断せず、眼科での相談をおすすめします。

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