角膜上皮剥離に対する局所麻酔剤の使用;という座談会がAAO(米国眼科学会)で開かれ、その記事が学会員向けに、
⇒リンク:Topical Anesthetics: The Latest on Use for Corneal Abrasions
としてメールマガジンに掲載されています。
- トピカル(局所点眼)麻酔薬の使用: 角膜擦過に対するトピカル麻酔薬の使用は、短期的な診断目的に限られるべきである。トピカル麻酔薬は、角膜の治癒を遅らせ、感染や穿孔のリスクを増加させる可能性がある。
- 代替療法: 角膜擦過の痛みを和らげるためには、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や経口鎮痛薬が有効である。また、バンデージコンタクトレンズやアミノグリコシド系抗生物質も痛みの軽減に役立つ場合がある。
- 教育と監視: 患者には、トピカル麻酔薬の使用に伴う危険性と禁忌を十分に説明する必要がある。また、トピカル麻酔薬の乱用や依存の兆候に注意する必要がある。
- 清澤のコメント:私は流涙症の治療に希釈した局所麻酔薬であるラクリミンを漫然と処方されているのを見ると、大変不快に思います。コンタクトレンズを付けたまま就寝してしまったような際や、隣人の爪が角膜表面を削った時などに見られる角膜上皮剥離は強い疼痛を示します。診断用のベノキシールを点眼して漸く開瞼させ、角膜の状態を見られるような例に出会うことがあります。それに対しても、ベノキシールの瓶を持ちかえらせるのではなく、度の弱いソフトコンタクトレンズを載せて摩擦による疼痛を抑えるとか、(軽い麻酔効果のある)アミノグリコシド系眼軟膏を点入して眼帯するなどを、鎮痛薬の内服に合わせることで最初の24時間を過ごさせることができれば、翌日には疼痛は大分軽減させられる事でしょう。
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