眼科検診

[No.1428] 保健師が最も気にする眼の疾患とは?定期健診では何を調べているのか:記事紹介

産業保健新聞の記事「保健師が最も気にする眼の疾患とは?定期健診では何を調べているのか。2023/2/15 健康診断 」を見ました。妥当な内容なので、その内容を抄出してみます。私の過去の新聞記事も挟んでおきます。

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 健康診断で指摘を受けやすい視力低下を含む「眼の検査や病気」に焦点をあて説明します。

<具体的には以下の内容についてまとめています>
・ 健康診断での眼科に関する検査項目は視力・眼底・眼圧検査の3つ
・ 従業員の健康診断結果を確認していて多い所見は「緑内障の疑い」「視力低下」
・ 職場で気をつけたい眼の病気 VDT作業による視機能の障害「眼の充血」「ドライアイ」「眼精疲労」

健康診断での検査項目は視力・眼底・眼圧検査の3つ

健康診断では3つの眼科検査があります。視力、眼底、眼圧検査です。

検査名 内容
視力検査 視力を数値で確認します。裸眼もしくは眼鏡・コンタクトレンズをつけて測定します。
眼底検査 通常眼底写真にて検査します。動脈硬化の程度、高血圧、糖尿病による眼の合併症等を調べます。
眼圧検査 眼に空気を吹きつけて眼圧を測定します。高い場合は高眼圧症や緑内障の疑いがあります。

従業員の健康診断結果を確認していて多い所見は「緑内障の疑い」「視力低下」

日頃保健師として企業からの依頼で健康診断結果の確認や事後措置をおこなっているなかで、散見される所見は眼圧検査で指摘される「緑内障の疑い」、そして視力検査での「視力低下」です。

1. 緑内障

緑内障とは、眼圧の上昇や視神経の脆弱性などにより視神経が障害され、それに対応した視野障害をきたす疾患で、日本における失明原因の第一位です。初期には自覚症状がなく、視野障害を自覚するころにはすでに進行期であることが多い病気です。放置すると失明に至ります。

◎健康診断結果で気をつけてほしい内容◎
・ 眼圧の上昇
・ 視神経乳頭陥凹の拡大
・ 緑内障性乳頭変化の疑い

上記のような理由で再検査や要精密検査等の指示が出た場合は、できるだけ早く眼科専門医を受診しましょう。
緑内障は年齢とともに有病率が上昇します。

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2. 視力低下

視力低下の場合「日常生活に支障があれば受診を」といった曖昧な表現が記載されている場合がある。結局受診しないままの人もおおい。
視力低下とは、「ぼやけて見える」「ものが二重にみえる」「眼のかすみがある」「視野に幕がかかっている」などが主な症状。
原因は光の通り道に障害がある場合(白内障など)、網膜に障害がある場合(加齢黄斑変性や糖尿病網膜症など)、視神経から視中枢にいたる神経回路に障害がある場合(緑内障や脳の病気など)に大別され診断には視野検査や脳の検査などがおこなわれます

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職場で気をつけたい眼の病気

最後に職場で気をつけたい、VDT作業(液晶などのディスプレイやキーボードなどのVDT危機を用いての作業のこと)による視機能の障害を紹介します。

眼の充血

充血は血管拡張・血流増加により、眼が赤くなった状態を指します。

<眼の充血対策>
充血の原因は結膜炎、ぶどう膜炎、眼精疲労などさまざま
充血解消だけでは根本的な解決にはならない。
適宜かかりつけ医などに相談を。

ドライアイ

「さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患。眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面に障害を伴うことがあるもの」と定義。中年女性に多く、800万人から2,200万人の患者がいる。

<ドライアイ対策>
眼を酷使したり乾燥させたりする環境に長時間いたり、コンタクトレンズの使用方法が不適切な方は仕事のやり方や生活習慣を見直す

「涙」の健康が危ない…こんな症状が出たらドライアイを疑え!日刊ゲンダイ特集記事

眼精疲労

軽度の眼の使用で眼痛、充血、かすみ、羞明、肩こりなどの症状が出現します。

<眼精疲労対策>
定期的に休息をとる、目を酷使しない、眼を温めて血行をよくする、眼を動かしたり遠くの景色をみたりなど眼の緊張を和らげる機会を持つ。

健康診断の眼の検査で指摘を受けた方は、眼科専門医にご相談ください。

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<引用・参考文献>
・ 公益財団法人日本眼科医会 ほか

 

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