眼瞼痙攣

[No.2401] ボトックス注射の痛みを抑えるエムラクリーム他の方法をご存じですか

ボトックス注射の局所の痛みを和らげるために、エムラクリーム(麻酔薬の軟膏)を私費で購入して使用することができます。以下に、エムラクリームの使用法と保険適用外であることを含めて説明します。疼痛を最小限に抑える方法にも言及しておきましょう。

  1. エムラクリームの使用法:

    • エムラクリームは、ボトックス注射の前に顔面に局所的に塗布して使用することができます。現在使っている患者さんは5%以下です。。
    • 通常、ボトックス注射予定部位に10cm2あたり1gのエムラクリームを密封法(ODT:塗布部位にサランラップをかぶせて乾燥を防ぎます)により、塗布し60分間おきます。
    • 注意書きによれば、1回あたりの塗布量は最大で10gまでで、塗布時間は120分を超えないようにします1.
  2. エムラクリームの保険適用外であることについて:

    • ボトックス注射用100単位および同50単位施注時のエムラクリームについては、保険適用上の取扱いに係る留意事項があります。しかし、実際には保険使用はできません。
    • ボトックス注射用100単位および同50単位については、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足、重度の原発性腋窩多汗症及び斜視に使用した場合に限り算定されるとされています。しかし、眼瞼痙攣友の会の顧問であり、この道の長老である若倉雅登先生に伺うと、ボトックス施注時でも通常は保険請求が否認されたとの事ですから、私は希望者が薬局で購入できるように、私費購入ができるための指示箋を希望者のみに発行します。
    • ふつうは購入する患者さんが稀な薬剤ですから、これを常備している稀な薬局を探す必要があります。
    • 通常の疼痛緩和に使用した場合は算定できないものであり、使用に際しては注意が必要です2.
  3. ボトックス注射の痛みを軽減する方法:

    • 塗るタイプの麻酔を使用する: 麻酔クリーム(上記エムラクリームがこれに相当)を事前に塗布することで、注射針を刺す瞬間と薬液注入時の痛みを軽減できます。
    • 注射箇所をクーリングする: 冷却ジェルやアイシングを使用して、施術部位を冷やすことで知覚を麻痺させ痛みを和らげます。
    • 極細針を使用する: 通常ほかの目的では使用しない細い針(30ゲージ)を使うことで痛みを最小限に抑え、またこれは内出血のリスクも低減します。
    • 笑気ガスを使用する: 笑気麻酔を取り入れることでリラックスし、痛みを軽減できるという話もあります。しかし、排気装置がない当医院では用意していません3
    • 痛いと発声しない:痛みは多分に心理条件に左右されます。最初に痛みを感じた時に「痛い」と声を発し、気持ちを痛いことに向けると痛みは相当に増強されます。また、この声を聴いて施術者が手を止めると、全体の注射時間(疼痛時間)も長くなります。私は初めの針を刺入する前までに、どこにどれだけずつ打つのかをカルテの記録紙に書き、心の中でも確認しています。そして、いったん打ち始めたら全体を10秒程度で駆け抜けるように施術し終わるように心がけています。.

ボトックス注射後の過ごし方にも注意し、激しい運動やお風呂・サウナを控えることで効果を最大限に引き出せるでしょう。

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