眼瞼痙攣

[No.2848] 原発性眼瞼痙攣に伴う眼痛を説明します:

原発性眼瞼痙攣に伴う眼痛を説明します:

清澤のコメント:眼瞼痙攣では非常に厄介な眼痛を訴える患者さんを診ることがあります。

1)ドライアイ:先ず、眼瞼痙攣では正常な瞬目が乱れるので、角膜表面への涙液の保持が犯されて、しばしば眼痛を示すドライアイ症状を訴えます。角膜表面にはびまん性表層角膜炎もしばしば現れます。この場合には涙点プラグや点眼薬(ヒアレイン、ジクアス、レバミピド等)が用いられます。また、

2)知覚過敏:眼瞼痙攣では、①運動症状のほかに、②感覚症状としての知覚過敏が見られ易く、それらを原因とする③二次的な精神症状(鬱)も呈する場合もあります。感覚過敏には抑肝散加陳皮半夏なども用いますし、リボトリール、アーテンなども状況に応じて処方します。ボトックス注射自体にもそれなりの効果があります。

3)最近注目されているのが痛覚に対する痛覚変調性の疼痛(痛覚変調性疼痛とは | 自由が丘 清澤眼科 (jiyugaoka-kiyosawa-eyeclinic.com))を考えるものです。この変化は中枢神経系の中で起きていて、わずかな刺激を激しい痛みと感ずるように脳が変化(これを痛覚変調と呼ぶ)しているとするものです。今後このような考えからの抗癲癇薬などの治療薬選択も期待されます。

痛覚変調性疼痛とは

――眼痛と本態性眼瞼痙攣についての一般的な説明は以下の通りです――――

原因

本態性眼瞼痙攣(BEB)は、目の周りの筋肉が不随意に収縮するジストニアの一種です。正確な原因はよくわかっていませんが、運動を制御する脳の一部である基底核の異常が関与していると考えられています。疲労、明るい光、ストレスなどが症状を悪化させることがあります。

診断

診断には以下が含まれます:

臨床評価:眼科医や神経科医による詳細な検査で、特徴的な筋肉痙攣を観察します。

病歴の確認:患者の病歴を確認し、類似の症状を引き起こす他の状態を除外します。

画像検査:場合によっては、他の神経疾患を除外するためにMRICTスキャンが使用されることがあります3

治療

治療法には以下が含まれます:

ボツリヌス毒素注射:最も一般的で効果的な治療法です。ボツリヌス毒素(ボトックス)を眼瞼の筋肉に注射して痙攣を減少させます。

薬物療法:筋弛緩薬や抗コリン薬などが処方されることがあります。

手術:重症の場合、眼瞼の一部の筋肉を除去する筋切除術などの外科的手術が検討されることがあります。

生活習慣の調整:ストレス管理、明るい光を避ける、十分な休息を取ることが症状の軽減に役立ちます。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。