片側顔面けいれんと原発性眼瞼けいれん: 症状と治療の共通点と違いは?(図:Hemifacial Spasm | Causes and Symptoms (nashvillehemifacialspasm.com))
片側顔面けいれんと原発性眼瞼けいれんは、両方とも顔面の筋肉に関連する病気ですが、異なる特徴を持っています。ここではそれぞれの疾患について説明します。
片側顔面けいれん
- 片側の顔面筋が自分の意志に関係なく「ピクピク」動く病気です。
- 症状は片側に起こることが多く、そちら側のまばたきが多く、時には目が閉じたままになることもあります。後下小脳動脈などの小脳に向かう動脈がそちら側の顔面神経を圧迫して、それが刺激になって痙攣が起きると説明されています。
- 不随意なウインク状の瞬目が気になって、日常生活に支障をきたします。
原発性眼瞼けいれん
- 目の周りの筋肉がけいれん(専門用語では攣縮です)して、両目があけにくくなり、まばたきがうまくできなくなる病気です。伏し目がちになり、眼を閉じているほうが楽であると訴えます。結果的にドライアイを示すことも多いです。
- 脳内の眼瞼運動を制御するシステムの機能障害によって生じると考えられています。目を開く筋と目を閉じる筋が交代して働くべきところで、両者が同時に働こうとして混乱しています。(原発性のほかにベンゾジアゼピン長期使用などを原因とする薬剤性眼瞼痙攣もあります。)
- 症状を抑えるボトックス注射などの治療が中心で、40~50代以上に多く、女性は男性の2.5倍もかかりやすいとされています。
治療の共通点と違い
- どちらの病気も早めの診断と適切な対処が重要です。
片側顔面けいれんには顔面筋へのボトックス注射が特に効果的であり、眼瞼痙攣やその他の眼科的問題にもこのボトックス注射は適用されます。専門医の指導を受けながら、適切な治療法を選択しましょう。
米国の片側顔面けいれんの動画:
2020/11/12 チャーリー・ジョーは、片側顔面けいれんの診断と治療がうまくいかなかった後、ナッシュビル神経外科協会のウルム医師のもとを訪れました。ウルム医師と面会して選択肢について話し合った後、チャーリー・ジョーと妻のジェーンは、片側顔面けいれんの唯一の永久的治療法である微小血管減圧手術を受けるべきだと決めました。手術以来、チャーリー・ジョーはけいれんを起こさなくなりました。これは彼の物語です。
(清澤は、この微小血管減圧術は患者さんの負担も大きいので最初からは勧めません。そして、まずボトックス注射を受けることをお勧めします。永続的で完全な消失を強く希望する患者さんには、それを専門に多数の経験を持つ脳外科医を紹介します。脳外科医と相談したうえで、素の脳外科医の手術を受ける選択でも、私のところでボトックスを中心とする保存的治療を続ける方法でも、どちらをも選ぶことができます。)
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