眼瞼痙攣

[No.3333] 「眼瞼痙攣の治療における前瞼板および前隔膜ボツリヌス毒素注射の併用

清澤のコメント:従来副作用としての眼瞼下垂を避けるため、上瞼では、瞼板前に打ち、しかも瞼板の内側及び外側の端に打つことになっていました。今回の新論文は異論を唱えています。

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眼瞼痙攣の治療における前瞼板および前隔膜ボツリヌス毒素注射の併用:前向き非ランダム化臨床試験」 胡俊豪ほか 、AJO第270巻p19-24 2025年2月

緒言

眼瞼痙攣(BEB)という症状は、まぶたが勝手に閉じたり、まばたきが増えたりするものです。治療法はいくつかありますが、どれも限界があり、患者さんや医師にあまり好まれていません。そこで、ボツリヌス毒素(BoNT)の注射が一般的です。この注射は効果が高く、副作用も少なく、手軽で安価です。ただし、どこに注射するかで効果が変わるので、正しい注射部位が大事です。

図解

  • 図1: ボツリヌス毒素(BoNT-A)の注射部位の模式図

    • (A) 眼瞼前(PT)注射部位

    • (B) 眼瞼隔膜前(PS)注射部位

    • 注射は両側に行い、BoNT-Aの投与量は色で示しています。

抄録

目的

この研究では、BEBの治療において、2つの注射法(PT法とPT-PS法)の効果を比較しました。

デザイン

前向き非ランダム化臨床試験。

方法

2023年1月から2024年4月までに45人のBEB患者に対し、95回のBoNT注射を行いました。そのうち52回がPT-PS法、43回がPT法でした。治療効果は、ヤンコビッチ評価尺度(JRS)と眼瞼けいれん障害指数(BSDI)で評価しました。

結果

どちらの方法でも症状は改善されましたが、PT-PS法の方が効果的でした。具体的には、効果が現れるまでの時間や、効果の持続時間、患者の満足度が高かったです。また、副作用もPT法と比べて少なかったです。

結論

PT-PS法は、BEBの治療においてPT法よりも優れており、患者の満足度も高いことがわかりました。

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