まぶたが勝手に閉じる…それは「眼瞼けいれん」かもしれません
〜見落とされがちな目の病気を知りましょう〜
「最近まぶしさが気になる」「目が乾いてつらい」「まばたきがうまくできない」。こうした症状を感じる方は、もしかすると「眼瞼けいれん(がんけんけいれん)」という病気の可能性があります。
眼瞼けいれんは、脳の運動をコントロールする中枢神経の異常により、まぶたの動きがうまくいかなくなる病気です。最初はドライアイや眼精疲労のような症状で始まりますが、次第に目を開けることが難しくなっていくこともあります。
■ 眼瞼けいれんの特徴と原因
この病気は40〜50代以降の女性に多く見られ、目そのものに異常がないにもかかわらず、脳の大脳基底核や中脳などの機能異常が原因と考えられています。
原因としては以下のような要因が挙げられます:
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ストレス
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睡眠不足
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まぶたの神経の異常
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脳の伝達異常(大脳基底核や視覚野など)
どの要因も完全に解明されたわけではありませんが、生活習慣の乱れや精神的なストレスがきっかけになることが多く報告されています。
■ 他の病気との違いに注意
眼瞼けいれんと似た症状を示す疾患には次のようなものがあります:
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眼瞼ミオキミア:片側のまぶたが一時的にピクピクするが、数分で治まる。
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片側顔面けいれん:顔の片側全体の筋肉がけいれんする。
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眼精疲労:長時間の作業後に出る一時的な疲れ。
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チック症:瞬きなどが無意識に繰り返される運動性のクセ。
これらと異なり、眼瞼けいれんは両目に慢性的かつ持続的に起こることが多く、日常生活にも支障をきたします。
■ 診断と治療法
診断には、まぶたの動きの観察、筋電図、そして場合によっては脳の画像検査(CTやMRI)などが行われます。
治療には以下の方法があります:
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ボツリヌス療法:まぶたの筋肉に注射して過剰な収縮を抑える方法。3〜4か月効果が持続し、繰り返し行われます。
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薬物治療:原因が抗うつ薬や睡眠薬である場合には中止や調整で改善する場合もあります。
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手術:重症の場合には眼輪筋の切除などが行われることもありますが、再発の可能性もあるためボツリヌス療法との併用が一般的です。
■ 日常でできる対処法
病気の進行や再発を防ぐためには、以下のような日常の工夫も大切です:
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目を定期的に休める
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睡眠をしっかりとる
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カフェインの摂取を控える
パソコンやスマートフォンの使用時間が長い方は特に、一定時間ごとに目を閉じて休ませることが大切です。
まとめ:
眼瞼けいれんは見た目にはわかりにくい病気ですが、本人にとっては大きなストレスや不自由をもたらします。症状が軽いうちに気づくことができれば、治療によって大きく改善する可能性もあります。まぶたの不調が気になる方は、ぜひ早めに眼科を受診してください。
参考ページ:私の最も多く診療している「眼瞼痙攣」を最近掲載されたgankaDOC記事を参考に分かり易くまとめ直してみました。
gankaDOC「眼瞼けいれんの原因は?似た症状を引き起こす疾患・治療・対処法も解説」
URL:https://gankadoc.jp/media/disease/blepharospasm/
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