先日予告した若倉先生のおインタビュー記事の要旨です。
光過敏脳とは
近年、スマホやパソコンを長時間使うことが当たり前になりました。ところが、こうした生活習慣が原因で、光が脳に過剰な刺激を与える新しい病気「光過敏脳」が問題になっています。
これは「眼球使用困難症候群」の一つで、目の検査では異常が見つからないのに「眩しい」「目が痛い」「まぶたが開けられない」などの症状が続きます。
調査で分かったこと
井上眼科病院が健康と思われる人に調査したところ、「全く問題なし」と答えた人はわずか28%。
半数以上が予備軍で、すでに症状を持つ人も2割近くいました。特に20〜30代に多く、子どもの頃からディスプレイに囲まれてきた世代にリスクが高いと考えられます。
どんな症状が出るのか
光過敏脳では「ただ眩しい」だけではなく、以下のような症状も見られます。
- 光を見ると吐き気がする
- 目の奥が引っ張られる感じ
- まぶたが重く開けられない
- 普通の照明でも強烈に不快
これらは脳の神経回路に不具合が生じるためで、MRIなどの検査では原因が分かりません。そのため「心因性」と誤診され、睡眠薬や抗不安薬を処方されて悪化するケースもあります。
重症度の段階
光過敏脳には6段階の重症度があります。
- グレード1:日光やLEDが不快、長時間の画面視聴で疲れる
- グレード2:1時間以上で頭痛や眼痛が出やすい
- グレード3:20分程度で不調が出る
- グレード4:昼間の外出を避け、画面もほとんど見られない
- グレード5:暗室で生活し、光以外の刺激にも過敏になる
予防と対策
残念ながら、根本的な治療法はまだありません。大切なのは「予防」と「生活の工夫」です。
- 使用時間を制限する
ジョブズは子どもにiPadを制限し、ゲイツは14歳まで携帯を持たせなかったといいます。 - 生活を見直す
メールやLINEより手紙や電話を。夜更かしせず朝型の生活に。 - 道具を使う
サングラスやブルーライトカット眼鏡を活用し、週に1日は「スクリーンフリーデイ」を設けましょう。 - 医療的サポート
光を和らげる「HDグラス」や低刺激の照明が治療に役立つこともあります。
まとめ
光過敏脳は「単なる疲れ目」ではなく、脳が光に耐えられなくなる深刻な病気です。
放置すると「暗室でしか生活できない」ほど重くなる可能性があります。今は平気でも将来は分かりません。家族や子どもを守るために、今日から光との付き合い方を見直してみませんか?
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