シンポジウム 1 目の痛みのサイエンス
清澤のコメント:light-induced hedacheには内因性光感受性網膜神経節細胞(ipRGCs)の反応が関与していて、視床後部で中継され体性感覚野と三叉神経核に至る「羞明回路」があるという。ドライアイは自覚症状と他覚症状に乖離があり、それは角膜知覚神経の感受性変化によるという。それには神経障害性疼痛や、中枢感作が関与するそうだ。砂金は帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia PHN)を含めて帯状疱疹関連痛 (ZAP:zoster-associated pain:脚注 )とするとのこと。いくつも覚えておくべき単語が出ている。
別項目に詳しい聴講印象記を追記しました。
オーガナイザー 毛塚 剛司 山田 昌和
1) 原 直人(国際医療福祉大) 片頭痛:light-induced hedache の機作と中枢・辺縁系感作: 光過敏が80%に合併。非イメージ形成の視覚を認知する内因性光感受性網膜神経節細胞(ipRGCs)の反応が関与。視床後部で中継され体性感覚野と三叉神経核に至る「羞明回路」がある。皮膚アロディニアもある:中枢・辺縁系の感作(central sensitization)の成立が視覚にも及ぶ。青色を厭うのでそれを切る遮光眼鏡を用いる。
清澤脚注:光をとらえる細胞層(第三の光受容細胞から引用)
眼に入った光は、神経節細胞層や網膜内層の細胞を通り抜けて、主要な光受容細胞(桿体細胞と錐体細胞)に到達する。これらの細胞が視覚情報を神経節細胞に送り返すと、神経節細胞はそれを脳の視覚中枢や視覚以外の中枢へと伝える。内在性光感受性網膜神経節細胞(ipRGC)と呼ばれる一群の神経節細胞は、光感受性色素であるメラノプシンを含んでおり、光に関する情報を、直接符号化して伝達することもできる
2) 山上 明子(井上眼科病院))神経眼科疾患における疼痛・羞明の鑑別診断と治療: 疼痛には視神経炎、外眼筋など眼窩内疾患、眼窩先端症候群やフィッシャー症候群、帯状疱疹がある。病変部異を推測し、MRIや採血を行う。眼瞼けいれんも鑑別に加える。原因不明には対症療法も行う。
3) 田川 義晃(北海道大)ドライアイからみた疼痛の鑑別診断と対処: ドライアイは自覚症状と他覚症状に乖離があり、それは角膜知覚神経の感受性変化による。神経障害性疼痛や、中枢感作が関与。点眼麻酔検査:点眼で止まらねば感作を考えて、鎮痛薬を出す。中枢感作を起こす他のものも考慮する。
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