白内障

[No.2637] 劇症型溶血性連鎖球菌感染症(人食いバクテリア)について

劇症型溶血性連鎖球菌感染症について

このブログから派生したメルマガを読んでくださっている患者さんから、受診時に最近放映されたNHKクローズアップ現代の人食いバクテリアについて質問されました。まれとされますが年に1000人以上発症しており、それが疑われるときは早急に壊死組織切除と植皮を含む手術もできる基幹病院に掛かる必要があります。NHK番組にリンク

https://youtu.be/u1reXr8uDqc?si=8wXDvM1FcHeWu0w_

 

「人食いバクテリア」として知られる劇症型溶血性連鎖球菌感染症について、原因、診断、治療、予防についてまとめます。この感染症は致死率が非常に高く、急激に病状が進行する特徴があります1

  • 原因:
    • 劇症型溶血性連鎖球菌感染症の主な原因はA群溶血性連鎖球菌(Group A Streptococcus pyogenes)という細菌です。
    • 飛沫感染や接触感染によって広がります。
    • ただし、A群溶血性連鎖球菌の感染症すべてが劇症型を起こすわけではありません。通常は「のどのかぜ」の原因で知られる溶連菌の一種であり、劇症型になることは非常にまれです。インバウンドで国内に入ったイギリスからの株に特徴があるともいわれます。
    • 劇症型になるメカニズムは、宿主側の要因(65歳以上、皮膚軟部組織感染症、外傷、糖尿病などの基礎疾患)と細菌側の要因が複雑に関与しており、未だ解明されていない点も多いです。
  • 症状:
    • 急激かつ劇的に病状が進行します。
    • 発症から数十時間以内に、皮膚軟部組織の壊死や多臓器不全を来たし、ショック状態に陥ります。
    • 子どもから大人まで広い年代で発症する可能性がありますが、特に30歳以上の大人に多いのが特徴です。
  • 予防方法:
    • ワクチンはまだありませんが、感染経路を遮断することが重要です。
    • 接触感染対策: 手洗い、手指消毒、傷がある場合の処置。
    • 飛沫感染対策: マスクの着用。
  • 早期受診の目安:
    • 劇症型をはじめとした重症の場合、早期の受診が必要です。
    • 急速に広がる皮膚の赤みや熱感、腫れ、痛みがある場合、意識がはっきりしない場合には、ためらわずに受診してください。

日本国内でも感染者数が増加しており、注意が必要です。眼症状についての報告は特にありませんが、感染症の症状は個人差があるため、不調を感じた場合は早めに医療機関を受診することをお勧めします。

 追記:目に関連する溶連菌感染症

結膜炎程度でも細菌培養をしてみると時に溶連菌が出ることがあります。抗菌スペクトラムを見て感受性のある点眼液の処方をします。溶連菌感染症は、正式には「溶血性連鎖球菌」と呼ばれ、主にのど(咽頭・扁桃)に感染して発熱やのどの痛みなどを引き起こす感染症です。以下に、目に対する溶連菌感染症の特徴をまとめてみましょう。

  • 目の症状:

    • 目やに: 溶連菌感染症では目やにが増加することがあります。
    • 目の腫れ: 目の周りが腫れることがあります。
  • その他の一般的な全身症状:

    • 38℃~39℃程度の発熱
    • 体や手足に小さく紅い発疹が出る
    • 舌にイチゴのようなつぶつぶとした発疹が出る
    • 頭痛・腹痛
    • 首筋のリンパ節の腫れ

溶連菌感染症は、急性期を過ぎると皮がむけて終わることがあります。また、のどの痛みや発熱があっても、風邪とは違って咳や鼻水が出ないのが非常に特徴的です。潜伏期間は2〜5日で、実際に感染してから発症するまでに少しタイムラグがあります。

感染症症状は個人差があるため、不調を感じた場合は早めに医療機関を受診することをお勧めします。

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