春が近づいてきて、自由が丘駅内の東急売店に桜餅が登場しました。桜餅と道明寺餅が2個づつ入っていました。両者の違いを説明してみましょう。桜餅は関東、道明寺餅は関西の物のようです。
桜餅と道明寺餅は、日本の春を代表する和菓子ですが、地域や製法の違いによって異なる特徴を持っています。
桜餅(長命寺)
- 主に関東地方で一般的
- 特徴:
- 小麦粉や白玉粉を水で溶いて薄く焼いた生地で、こしあんを包む
- 形はクレープのように平たく巻かれた形
- 発祥:東京都墨田区の「長命寺」が由来
- 食感:もちもちというよりはしっとりとした食感
- 桜の葉:塩漬けした桜の葉で包み、香りを楽しむ
道明寺餅
- 主に関西地方で一般的
- 特徴:
- 道明寺粉(もち米を蒸して乾燥させ粗く砕いたもの)を使った餅生地で、粒あんを包む
- 形は丸みを帯びたお饅頭のような形
- 発祥:大阪の道明寺(藤井寺市)が由来
- 食感:もち米の粒が少し残っており、つぶつぶした食感
- 桜の葉:同じく塩漬けした桜の葉で包まれるが、葉の香りがより染み込みやすい
共通点と違い
桜餅(長命寺) | 道明寺餅 | |
---|---|---|
地域 | 関東 | 関西 |
生地 | 薄焼き生地(小麦粉) | もち米(道明寺粉) |
餡 | こしあんが一般的 | 粒あんが多い |
形 | 平たく巻く | ふっくら丸い |
食感 | しっとり | つぶつぶもちもち |
桜の葉 | 塩漬け | 塩漬け |
どちらも春の風物詩として親しまれていますが、関東と関西で好まれるスタイルが異なるため、食べ比べると面白いかもしれません。
季節は?:
桜餅と道明寺餅の季節は、一般的には春(2月~4月頃)とされています。特に3月のひな祭り(桃の節句)や4月の桜の開花時期には、多くの和菓子店やスーパーで販売されます。
桜餅(長命寺系)の季節
- 主に関東地方で見られる「長命寺桜餅」は、小麦粉などの生地を焼いて餡を包み、桜の葉で巻いたものです。
- 早いところでは2月頃から販売され、3月~4月が最盛期になります。
道明寺餅(関西風桜餅)の季節
- 関西地方で一般的な「道明寺桜餅」は、道明寺粉(蒸したもち米を乾燥・粗挽きしたもの)を使ったもちもちした食感が特徴。
- こちらも2月頃から店頭に並び、3月~4月にかけてよく食べられます。
通年販売もある
最近では、多くの和菓子店で季節を問わず販売されていますが、やはり桜の季節(春先)に食べるのが風情があります。
また、地方やお店によっては秋冬にも販売されることがあり、特に和菓子専門店では1年中楽しめることもあります。
その桜の葉はいつ収穫されるのでしょうか?
桜餅に使われる桜の葉(塩漬けにされる葉)は、5月から6月頃に収穫されるのが一般的です。
収穫時期の理由:
- 新緑の季節
- 桜の葉は春に芽吹き、新葉が柔らかい5月から6月にかけて最も適しています。
- 香りと柔らかさ
- 成長しすぎると葉が硬くなるため、桜餅用にはまだ柔らかい若葉が収穫されます。
- 塩漬け加工のため
- 収穫された葉は塩漬けにされて発酵し、桜餅特有の香りを引き出します。これには適度な水分を含む若葉が最適です。
主な産地:
- 静岡県(伊豆半島)
- 神奈川県(松田町)
などが有名で、「オオシマザクラ」の葉が主に使われます。
収穫後は塩漬けにされ、数ヶ月熟成させた後、桜餅用として出荷されます。
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