先日、高橋ダンさんの動画を拝見しました。そこで取り上げられていたのは、いま世界で最も注目を集める半導体企業のひとつ、**エヌビディア(NVIDIA)**の決算です。動画の中で「超好業績」と評されるほど業績は絶好調ですが、同時に、その売上の大部分がごく少数の顧客に偏っているという指摘が印象に残りました。これこそまさに、強者がさらに強くなる資本主義の姿を見ているように思えました。
NVIDIAとはどんな会社か
エヌビディアはもともとグラフィックス用の半導体(GPU)で知られていました。しかし近年はそのGPUがAI(人工知能)を動かす心臓部として利用されるようになり、世界中のクラウド大手や研究機関がこぞって同社の製品を購入しています。そのため売上は急拡大し、半導体業界だけでなく世界経済を動かす存在にまで成長しました。
顧客が偏っているという事実
今回の決算資料やアナリストの報道を整理すると、次のような実態が浮かび上がります。
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上位4~5社の顧客で売上の半分以上を占めている。
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特に2社が売上の40%近くを占めるという報告もある。
具体的な顧客名は公開されていませんが、業界の見方では次のような企業が有力です。
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マイクロソフト(Azure, OpenAI関連)
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アマゾン(AWS)
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グーグル(Google Cloud)
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メタ(Facebook)
これらの「クラウド四天王」とも呼ばれる企業が、NVIDIAの製品を大量に購入し続けているのです。
割合感覚(推定)
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マイクロソフト:約20%前後
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アマゾン:約15%前後
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グーグル:約10%程度
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メタ:約10%弱
合わせると50%を軽く超えると考えられます。つまり、NVIDIAの業績はこの限られた大口顧客に大きく左右される構造になっています。
強者はさらに強くなる
マイクロソフトやアマゾン、グーグルといった巨大IT企業は、もともと豊富な資金力と市場支配力を持っています。そこにAI時代の波が訪れ、さらに資本を集中投下してNVIDIAの最新GPUを確保しているのです。結果として、**「AIを動かす半導体を買える者が勝ち残り、勝ち残った者がますます力を持つ」**という連鎖が生まれています。
NVIDIAにとっては超好業績の源泉であり、投資家にとっては魅力的な成長物語ですが、一方で「少数顧客への依存」というリスクも内包しています。もしこれらの大口顧客が調達を減らせば、NVIDIAの成長に直撃するからです。
医療の現場から見た感想
私は眼科医として日々診療をしていますが、こうしたニュースを聞くと、医療や社会にも通じる部分があると感じます。たとえば新薬や最新医療機器の供給も、特定の大企業や特定の国に依存している場合があります。供給が途絶えれば現場は困難に直面します。つまり、強い供給者に依存する構造は、医療も経済も似ているのです。
まとめ
高橋ダンさんが伝えていたように、NVIDIAは超好業績でありながら、その顧客は非常に限られています。おそらくマイクロソフト、アマゾン、グーグル、メタといったクラウド大手が中心で、この4~5社だけで売上の半分以上を占めると推測されます。
「強者はさらに強くなる」――AI時代の資本主義を象徴する構図がここに見て取れるでしょう。
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