提案書(案)
表紙
プロジェクト提案書
「ゴーグル型装置を用いた眼疾患シミュレーション映像生成」
提出先:〇〇大学医学部/〇〇研究科/教育機関 ほか
提出者:〇〇〇〇(所属:自由が丘清澤眼科)
日付:2025年〇月〇日
目次
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目的と背景
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対象とする主要疾患と再現映像の特徴
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市販シミュレーターの調査と比較
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技術的要件
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開発ステップとスケジュール
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想定コストと市場性
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まとめ
1. 目的と背景
眼疾患による視覚障害は本人以外には理解されにくく、患者や家族にとっても治療の意義や生活上の工夫を実感しづらい現状があります。既存の教育用シミュレーターは一定の効果を持つものの、静的体験が中心であり、左右差や動的な見え方の再現には限界があります。
本プロジェクトでは、両眼に動画を提示できるゴーグル型装置を用いて、疾患ごとに特徴的な視覚障害を動的に体験できる映像を生成し、教育・啓発・研究に資することを目的とします。
2. 対象とする主要疾患と再現映像の特徴
① 白内障
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特徴:全体が白く曇る、光がにじむ。
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映像表現:画面全体をぼかし、光源からはグレアを発生。夜間運転や読書場面が有効。
② 緑内障
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特徴:視野の一部が暗転。左右眼で欠損部位が異なる。
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映像表現:片眼ごとに異なる視野欠損を設定。人混みを歩く映像で「見えない部分から人が出現する」状況を再現。
③ 網膜色素変性症
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特徴:周辺から視野が狭窄、暗所でさらに見えにくい。
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映像表現:周辺を黒く塗りつぶし、中心だけ残す。夜道や映画館のシーンを提示。
④ 加齢黄斑変性
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特徴:中心に曇り・歪みが生じる。周囲は比較的見えるが「見たい場所ほど見えない」。
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映像表現:新聞や顔の中央部分を曇りや歪曲で隠す。
3. 市販シミュレーターの調査と比較
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Good-Lite, Nasco, APH などの教育用製品が市販され、価格は50〜500ドル。
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方式はレンズ・フィルター型であり「静止した模擬体験」が中心。
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本プロジェクトは、これらに対して以下の点で差別化されます:
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動画による生活場面の再現
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左右眼差の表現
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進行度の調整機能
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歪み・グレア・暗所視障害など複雑な症状の統合表現
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4. 技術的要件
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ハードウェア:
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高解像度・広視野角のヘッドマウントディスプレイ(VR/AR)。
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左右独立の映像処理が可能なGPU。
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ソフトウェア:
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ぼかし、暗転、歪み、グレアをリアルタイムで適用。
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Eye-tracking 技術を組み合わせて、中心注視部に応じた歪みを正確に反映。
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5. 開発ステップとスケジュール
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映像素材収集:街歩き、読書、夜間運転など日常場面を撮影。
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疾患別フィルタ開発:白内障・緑内障・網膜色素変性・加齢黄斑変性を優先。
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左右眼差分処理:特に緑内障の視野欠損を忠実に再現。
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プロトタイプ検証:眼科医・患者・学生による体験とフィードバック。
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製品化:教育機関・病院・福祉施設向けに提供。
6. 想定コストと市場性
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教育用既製品:50〜500ドル。
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本プロジェクト:
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HMD本体:500〜2000ドル
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ソフト開発・映像制作:数千〜数万ドル
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完成品価格:1000〜5000ドル程度を想定。
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市場性:
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医療教育、患者説明、啓発イベントに利用可能。
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海外市場でも需要あり。
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7. まとめ
本プロジェクトは、従来の静的シミュレーターを超えた 動画ベースのリアルタイム視覚障害体験 を可能にします。疾患ごとに異なる視覚症状を忠実に表現し、患者理解の促進、医療教育の質の向上、社会啓発への貢献が期待されます。初期段階では主要4疾患を対象とし、将来的には糖尿病網膜症や視神経疾患へ拡張可能です。
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