清澤のコメント:ドライアイの点眼と緑内障の点眼を併用している患者さんの両眼の周囲に眼瞼炎が起きました。点眼薬のアレルギーか?と思われます。最もあり得るのは保存薬ベンザルコニウムのえいきょうでしょうか?
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ベンザルコニウム塩化物は、一般的に点眼薬の防腐剤として使用されます。しかし、この成分は角膜上皮障害などの副作用を引き起こす可能性があります。特に、長期間にわたり使用する場合や、複数の点眼薬を使用する場合には注意が必要です。
対策としては以下のようなことが考えられます:
- 適切な使用法と用量:防腐剤の濃度と接触時間が角膜を傷つける可能性があるため、用法・用量を守り、適切に使用することが重要です。
- コンタクトレンズの取り扱い:ソフトコンタクトレンズや酸素透過性ハードコンタクトレンズは多孔性であるため、薬剤や防腐剤が吸着しやすい構造です。そのため、コンタクトレンズを装用したまま点眼すると、角膜に薬剤や防腐剤が長時間接触し、目に刺激を与えたり、レンズの性状に影響を与える可能性があります。したがって、コンタクトレンズを外してから点眼し、その後15分程度時間を置いてから再度コンタクトレンズを装着することが推奨されます。
- 防腐剤無添加の点眼薬の使用:ベンザルコニウム塩化物による副作用が生じた場合は、防腐剤が全く入っていない目薬を使用することも一つの対策となります。
これらの対策を適切に行うことで、ベンザルコニウム塩化物に伴う合併症を最小限に抑えることが可能です。
では、ベンザルコニウムを含まぬ緑内障点眼薬には何があるでしょうか?
ベンザルコニウム塩化物を含まない緑内障治療点眼薬としては、タフルプロストの商品名である「タプロス」があります。この薬剤はプロスタグランジンF2αアナログで、眼房水の排出を促進し、眼圧を低下させる効果があります。
このタプロス(一般名:タフルプロスト)の使用制限については以下の通りです:
- タプロスは、オミデネパグイソプロピル(エイベリス点眼液)を使用している人には使用できません。
- 過去にタプロス点眼液0.0015%、タプロスミニ点眼液0.0015%に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人も使用できません。
また、以下の人々は特に注意が必要です:
- 水晶体の無い人、眼内レンズを挿入している人
- 気管支喘息のある人、または過去に気管支喘息になったことのある人
- 虹彩(こうさい)炎やぶどう膜炎などの眼内炎のある人
- 妊婦または妊娠している可能性がある人
- 授乳中の人
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