緑内障

[No.1996] OCTでの神経線維層欠損とハンフリー視野計での視野欠損の対応は?

健康診断の緑内障スクリーニングにはカラー眼底写真で、視神経の中央部の窪みが拡大しているかどうかを見ます。この窪みが60%を超える場合、「視神経乳頭陥凹拡大」と診断し、緑内障疑いと考えます。次に、緑内障診療では、眼圧とともに、OCTで捉えられる神経線維速欠損とハンフリー視野計で捉えられる視野欠損を対比しながら診療を続けますが、その対応についてお話してみましょう。

神経線維層欠損とは、視神経乳頭から扇状に広がる神経線維が欠損することで、視野障害がおこる前に、最も早期に生じる緑内障性眼底変化です。この神経線維層欠損は、眼底のOCT(光干渉断層計)でよりはっきりと捉えることができます。

一方、ハンフリー視野検査は、静的量的視野検査とも呼ばれ、決まった範囲内での網膜の光の感度を測定します。この検査では、視野の中心部(30度以内)を詳しく知ることが出来るため、緑内障の早期発見や進行状況などを確認していきます。この視野の図ではマリオット盲点から鼻上側に穿破した緑内障性の視野が認められます。視野欠損は、神経線維層欠損に対応した部位(上下は逆転します)で見られます。

したがって、神経線維層欠損とハンフリー視野検査による視野欠損は、それぞれ異なる方向から緑内障の診断と進行を評価する重要なツールです。これらの情報を組み合わせて使用することで、より正確な診断と効果的な治療計画を立てることが可能になります。

 

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