結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)

[No.1605] フリクテン性結膜炎:phlictenular kerato conjunctivitisとは

フリクテンとは、角膜(いわゆる黒目)あるいは結膜(いわゆる白目)に結節性病変(結節とは周囲との境界が比較的明瞭な丸く小さな突出部を指します)を形成する炎症性疾患です。病巣部位によって結膜フリクテン、輪部フリクテン、角膜フリクテンに分類されますが、これらを総称してフリクテン性角結膜炎と呼びます。フリクテン性結膜炎は若年者に多く、角膜輪部(角膜を取り囲む幅1~2mmのドーナツ状の領域)近くの球結膜上に生じる白色~黄色の結節性隆起病変で、表層性血管の集積や上皮欠損を伴います。

原因

病原体に対して血液成分のひとつであるリンパ球の一種(T細胞)が反応する遅延型(Ⅳ型)アレルギー反応の結果、フリクテンが発症すると考えられています。病原体としては、結核菌、黄色ブドウ球菌、アクネ菌の関与が考えられています。また、眼瞼がんけん(まぶた)に存在する皮脂腺であるマイボーム腺に炎症を生じるマイボーム腺炎を合併している症例もありますが、合併していない軽症例もあります。

症状

充血や異物感が主な症状です。球結膜上に表層性血管の集積を伴う結節性病変があり、隆起部分の上皮は欠損しています。

検査・診断

マイボーム腺炎を合併している症例では、マイボーム腺分泌物の培養検査を行い、原因菌の検出を行います。

治療

治療は、原因とされるブドウ球菌やアクネ菌などを除去するための抗菌点眼薬と、アレルギー反応抑制のための低濃度ステロイド点眼薬を併用します。またマイボーム腺に活動性の高い炎症(感染)が存在する場合には、抗菌薬の内服や眼瞼縁の清拭を行います。

参考記事:フリクテン性結膜炎について | メディカルノート (medicalnote.jp) 

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