結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)

[No.3574]

Q: 本人にはアレルギーの元になるものには触った自覚は無いのですが、数時間前から下瞼皮膚を中心に弱い痒みと浮腫を示しています。蕁麻疹等を考えます。これに対して使うべき内服薬と眼軟膏を決めます。

A: 眼瞼が浮腫で少し痒みが有るのでポララミン内服とステロイド内服、それにネオメドロール軟膏を処方したい。多すぎない使用量はどのくらい?

眼瞼の軽度の浮腫とかゆみを伴う炎症に対して、抗ヒスタミン薬(ポララミン)+ステロイド内服+ステロイド外用(ネオメドロール軟膏)の併用は、アレルギー性や接触皮膚炎などに対する一時的な対応として適切なことがあります。ただし、部位が眼瞼であるため、副作用や皮膚萎縮に留意した最低限の使用量・期間が重要です。以下に、多すぎない常用量の目安をまとめます。

ポララミン(d-chlorpheniramine maleate)

  • 成人量:1回2mg、1日2〜4回(1日最大8mg)

  • 常用量としては:1回2mg、1日2回で開始が無難

    (眠気の副作用に注意。日中服用なら1回1mgでも可)


ステロイド内服(例:プレドニゾロン)

  • 眼瞼浮腫が中等度までであれば:

    • プレドニゾロン 5〜10mg/日(分1または分2)を3〜5日間

    • 症状が改善したら漸減して中止(例:5mg→2.5mg→中止)

  • 長期使用は避けること。眼圧上昇、血糖変動などに注意。


ネオメドロールEE軟膏

(フルオシノロンアセトニド+フラジオマイシン)

  • 眼瞼は皮膚が非常に薄いため、

    • 1日1回の夜間塗布のみで数日間の使用

    • 最大でも1週間以内で中止が原則(皮膚萎縮や眼圧上昇のリスク)

  • 軽症であれば、「症状のある部分にごく少量(米粒大)」が目安

    (眼球に入らないよう注意)


まとめ(安全な処方例):

薬剤名 用量 回数 日数の目安 備考
ポララミン錠2mg 1回1〜2mg 1日2回 数日間 眠気に注意
プレドニゾロン錠5mg 1日10mg(分1) 1日1回 3〜5日 改善後は漸減
ネオメドロールEE軟膏 ごく少量(米粒大) 1日1回(夜) 3〜5日 眼瞼専用、1週間以上は避ける

以下は、眼瞼のかゆみやむくみに対して処方された薬の使い方と注意点を説明する患者さん向けの文書です。院内での配布やブログ用としても使えるよう、平易な日本語でまとめました。


【まぶたのかゆみ・はれに処方されたお薬について】

○ ご症状について

まぶたの皮膚がやわらかいため、アレルギーやかぶれ(接触皮膚炎)などがあると、かゆみや赤み、腫れが出やすい場所です。今回の症状を和らげるために、内服薬と塗り薬を組み合わせて処方しています。


○ 処方されたお薬とその使い方

ポララミン(抗アレルギー薬/眠くなることがあります)

  • アレルギー反応を抑えて、かゆみやはれを軽くします

  • 1回1〜2錠(1錠=2mg)、1日2回(朝・夕)まで服用してください。

  • 眠気が出る場合がありますので、運転や機械操作にはご注意ください。

プレドニゾロン(ステロイドの内服薬)

  • 強い炎症やむくみを抑えるための薬です。

  • 1日1回、朝に5〜10mgを服用します(錠数は医師の指示に従ってください)。

  • 数日間だけの短期間使用です。指示された日数分だけ服用してください。

  • 急に中止せず、医師の指示で少しずつ減らすことがあります。

ネオメドロールEE軟膏(ステロイドと抗菌薬の混合軟膏)

  • 夜1回だけ、かゆみや赤みのある部分にごく少量(米粒大)塗ってください。

  • 塗りすぎず、まぶたの皮膚にそっとなじませる程度にしましょう。

  • 目の中に入らないように注意してください。

  • 長く使うと皮膚がうすくなる可能性があります。1週間以内の使用にとどめましょう。

  • ◎数日後に症状の回復を確認する目的での再来受診を指導します。

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