結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)

[No.4472] 「結膜静脈瘤(けつまくじょうみゃくりゅう)」あるいは「結膜の静脈型血管奇形」と呼ばれる良性の血管の変化

Q:結膜の下に、とぐろを巻くような血管が見え、時々小さな出血を起こします。先天的な血管の異常でしょうか?これは何と呼ばれ、どう対応するのでしょうか?

A:多くの場合「結膜静脈瘤(けつまくじょうみゃくりゅう)」あるいは「結膜の静脈型血管奇形」と呼ばれる良性の血管の変化です。

白目(結膜)の下に、青紫色でくねくねと蛇行する血管が見えることがあります。まるで細い血管がとぐろを巻いているように見えるため、初めて気づいた方は驚かれることが多い所見です。医学的には、静脈が限局的に拡張・蛇行した状態を結膜静脈瘤と呼びます。

これは多くの場合、生まれつき血管の壁がやや柔らかい、あるいは胎生期の血管の退縮や成熟の過程に軽いばらつきがあった結果と考えられています。腫瘍ではなく、基本的には良性の「血管の形の個性」のようなものです。幼少期からあったという方もいれば、大人になってから気づく方もいます。

静脈性の病変であるため、うつむいた姿勢をとったり、いきんだりすると一時的に少し膨らんで見えることがあります。一方で、拍動することは通常ありません。もし血管が脈打つように見える、急に増大してくる、眼が赤く強く充血する、眼球が出てくるといった症状があれば、別の血管疾患を疑い精密検査が必要になります。

ご質問にある「時々小出血を起こす」という点ですが、この静脈瘤の部分は血管壁がやや薄いため、軽い摩擦や血圧の変動で小さな結膜下出血を起こすことがあります。見た目は真っ赤になって驚きますが、多くは1~2週間で自然に吸収され、視力に影響することはほとんどありません。特別な治療を要さない場合が大半です。

では、治療は必要でしょうか。基本的には

①視力に影響がない

②痛みや炎症がない

③大きくなっていない

これらを満たしていれば、経過観察のみで十分です。定期的に診察し、大きさや性状に変化がないことを確認します。

例外的に、出血を繰り返して日常生活に支障がある場合や、美容的な問題が強い場合には、外科的に切除や焼灼を検討することもありますが、実際に手術が必要になるケースは多くありません。

まとめますと、結膜の下にとぐろを巻く血管の正体は、多くが「結膜静脈瘤」という良性の先天的血管変化です。時に小出血を起こしますが、ほとんどは自然に治り、重大な病気に進展することはまれです。ただし、急な変化や強い充血、拍動、眼の突出などを伴う場合は別の病気の可能性がありますので、必ず眼科で確認を受けてください。

気になる所見があれば、写真を撮っておくと経過の比較に役立ちます。多くの場合は「心配のいらない血管の個性」ですので、過度に不安にならず、定期的なチェックを続けていきましょう。

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