結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)

[No.1836] アレルギー性結膜炎とは

清澤のコメント:アレルギー性結膜炎は花粉症などの季節性のものと、ハウスダストなどによる通年性のものがあり、その強度や持続も異なるために、対処法も原因によって異なったものとなります。原因を避け、抗アレルギー薬の点眼を処方し、症状が強ければステロイド点眼を短期間追加することにしますが、原因を決めて適切な治療を決定するためには、状況によっては採血検査によるアレルゲンの検査もお勧めして治療を開始したいと思います。ステロイド点眼には即効性がありますが、不注意に長期使うと特に小児では眼圧上昇を招き、緑内障を誘発することもありますから、特に注意が必要です。また抗アレルギー薬も進歩していて、眼科医が主に使うものが年々変わっています。(なお、点眼薬の有効期限は開封後1か月ですから昨年の開封された残薬は使えません。)

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 アレルギー性結膜炎は、季節性アレルギー性結膜炎と通年性アレルギー性結膜炎の2種類があります。通年性アレルギー性結膜炎には、ダニなどの虫の死体、犬猫などの動物の鱗屑(毛)、およびその他の身の回りに年中存在する非季節性のアレルゲンによって生じます。これらのアレルゲン、特にハウスダストなど室内のものは、通年の症状を引き起こす傾向があります。季節性アレルギー性結膜炎は、草木の花粉やカビの胞子などが原因で生じ、特に2月から4月にみられるスギ花粉症がその代表例です。ヒノキ、イネ科植物花粉など季節によって原因になる植物はかわってゆきます。その原因(アレルゲン)が一つとは限りません。今の季節(7月)なら原因はイネ科植物の花粉かもしれません。

アレルギー性結膜炎の症状と徴候は以下です:
– 両眼の軽度から強度のそう痒(かゆみ)
– 結膜充血(白目の血管拡張、普通は出血しません。詳しく見ると眼瞼結膜にリンパ増殖による濾胞というぼつぼつした変化も生じます。)
– 結膜浮腫(白目の水ぶくれ)
– 結膜分泌物(涙液や目やに)
– 眼瞼浮腫(表面に見える瞼までが腫れます)
– 角膜浸潤(強度の場合、角膜にも延焼が表れて、視力にも影響することがあります)

診断には、患者さんの症状や身体所見をもとに行われます。検査法には、眼科医が行う細隙灯顕微鏡による眼科検査や血液検査などがあります。

治療法には、以下があります:
– アレルゲン回避(まず、花粉やハウスダストを避けるなどの手段を講じます)
– 目薬(抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、ステロイド剤など)
– 免疫療法(抗原精製物を舌下に年余にわたって投与して体質改善を図るものです)

注:(1)アレルギー性結膜炎 – 17. 眼疾患 – MSDマニュアル …. https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/17-眼疾患/結膜および強膜疾患/アレルギー性結膜炎.
(2) アレルギー性結膜炎 – 20. 眼の病気 – MSDマニュアル家庭版. https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/20-眼の病気/結膜と強膜の病気/アレルギー性結膜炎.

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