結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)

[No.466] 花粉症の最盛期が到来

花粉症の最盛期が到来

花粉症で目のかゆみを訴える患者さんの来院が増えています。アレルギー性結膜炎は花粉症などのような季節性のものと、ダニやハウスダストを原因とする通年性のものに分けられています。

アレルギー性結膜炎と加齢の関係:

眼アレルギーは、毎年人口の少なくとも20%に影響を与えると推定されており、発生率は増加しています。これは主に若年成人の疾患であり、平均発症年齢は20歳です。症状は年齢とともに減少する傾向がありますが、高齢者は引き続き重度の症状を示す可能性があります。

アレルギー性結膜炎は、一般的ではありませんが、高齢者として初めて発症する可能性もあります。患者は、環境の変化(例えば、新しく飼われたペットや新しい生活環境)と人生の早い段階での症状について質問されるべきです。高齢者では、ドライアイ、眼瞼炎、および毒物に関連した結膜炎がアレルギー性結膜炎を模倣する可能性もあります。

アレルギー性結膜炎において推奨すべき行動原理にについて説明し、さらに使うことが推奨できる処方薬としての点眼薬、点鼻薬、そして内服薬の使用について説明してみましょう。

まず花粉の飛散状況から。TENKIJPのページを見ますと、きょう30日は、九州から東北は広くスギ花粉が飛び、マスクだけでなく、メガネをかけるなど万全な対策が必要です。中国、四国から関東にかけても広くヒノキ花粉も飛ぶでしょう。スギ・ヒノキの花粉の飛散量は「多い」「やや多い」所が多く、花粉症の方はその対策をすると安心です。::週間予想で、3月30日の東京は、まだ「やや多い」ランクですが、明日4月1日木曜から4月4日までは「非常に多い」ランクが続きます。(おそらくその先も5月の連休まで続くでしょう。)

症状としては、鼻水や鼻詰まり、目のかゆみなどの症状に悩まされている人も多いでしょう。花粉症で目がかゆくなった場合、私は眼科受診をお勧めします。花粉症に対する対策はまず花粉への暴露をできるだけ抑えることです。

◎ この季節には花粉が付きにくい表面に毛が出ていないさらさらした表面のアノラックのような形の上着を外出時に用いるのもよいでしょう。部屋への花粉の持ち込みを減らすため、部屋の入り口で衣服表面のスギ花粉を払って部屋に入ることも勧められています。そもそも、花粉症の強い方は、晴れて花粉飛散の多そうな日の外出をなるべく避けるのも花粉症を軽く済ますよい方法だと思います。昨年と一昨年はは外出時のマスク装用で花粉症の発症者は少ない印象でした。しかし、今年は、そのマスク使用にも拘わらずかゆみを訴える患者さんが多いので、花粉飛散が今年は特に多いのではないでしょうか。

コンタクトレンズでは、花粉を眼表面とコンタクトレンズの間で擦りつぶして、目に触れる機会が増えますので、この季節に限ればコンタクトレンズ使用よりは眼鏡を使用するのをお勧めします。ひどい花粉症の方には、花粉を避けるために目の周りを塞ぐ効果を強めたゴーグルタイプの花粉眼鏡もお勧めです。

かゆい時に目をこするのは痒みを抑えるには逆効果です。そっと冷やして点眼薬の使用を考えましょう。『花粉を目に付着させない』『付いてしまったら洗い流す』ということを心がけましょう。洗眼用の点眼薬という市販品もあります。

点眼薬等:花粉症の目薬には大きく分けて抗アレルギー薬とステロイド点眼薬があります。ステロイド点眼薬は効果が強く即効性がありますが、緑内障を誘発する可能性もあり、漫然とは使わせたくない薬です。これに対して抗アレルギー薬は炎症の各段階を抑制しますから、即効性には劣りますが、持続的で強力にかゆみを抑えます。様々な製剤がありますが、私は特に抗ヒスタミン作用もあり、必要な点眼回数も少ないものをお勧めしています。眼科で処方される抗アレルギー薬の流行も、年々変わっています。

 鼻詰まりも、頭が重く、具合も悪いので解消させたい症状です。これを抑える点鼻薬にはステロイドの配合されたものが主流と思います。これも私は主に処方する薬剤をあらかじめ決めていて、その使用をお勧めします。内服薬にも各種ありますが、私は眠気を起こしにくいとうたわれているものを主に処方します。これらも用法用量を守ってお使いいただくのが必要です。

 ことに、抗アレルギー薬はいったんかゆみが和らいでも基本的には使い続けることが必要です。そしてステロイド製剤は痒みが収まれば早めの中止を求めます。ステロイドを使っている間は眼圧の測定をして、緑内障になっていないことを確認しておくことが求められます。ことに、小児ではステロイド使用で眼圧は上がり易いです。

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花粉症の治療薬についてのまとめ

■花粉症の治療薬に用いる点眼液とその種類
(1) 点眼薬(目のかゆみに効く)
(2) 点鼻薬(鼻水に効く)
(3) 内服薬(目と鼻の両方に効く、予防効果もある。)

■薬のタイプによる違い

(a) 抗アレルギー薬
かゆみの原因物質(ヒスタミン)の発生を予防する。即効性は弱い。内服の場合、効果が出るのは飲み始めてから2週間かかる。(インタール点眼液、リザベン点眼液、アレギザール点眼液)眠気もあまりでない。シーズン終了まで継続すべき。

(b) 抗ヒスタミン薬
出てしまったかゆみの原因物質(ヒスタミン)が体の中で悪さをするのを押さえる。即効性がある。(アレジオンLX点眼液,リボスチン点眼液、ザジデン点眼液など。内服薬ではアレグラ、アレジオンなど。

(c) ステロイド薬
症状がひどい人に短期間使う。弱いステロイド:0.1%フルメトロン点眼液など。強いステロイド:リンデロン(超短期、緊急避難で)。眼瞼炎:ネオメドロールEE軟膏

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