緑内障

[No.4056] セタネオ™点眼薬の有効性と安全性:パンフレットをいただきました。

新薬「セタネオ点眼液0.002%」とは

参天製薬から国内承認されたセタネオ(一般名:セペタプロスト)は、二環式プロスタグランジン誘導体で、FP受容体とEP3受容体の双方を刺激する初のデュアル作動薬です。房水の副経路(ブドウ膜強膜流出)に加え、主経路(シュレム管由来の線維柱帯流出)も促進して眼圧を下げます。用法は1日1回・片眼1滴。国内承認は2025年8月です。(パスメド-PASS MED-)

作用機序の要点

点眼後、プロドラッグが角膜内で加水分解され活性体となり、

  • FP受容体:ブドウ膜強膜流出↑

  • EP3受容体:線維柱帯流出(主経路)+副経路の双方を補強
    という二経路増強で眼圧下降を狙います。従来のPGF2α製剤(ラタノプロスト等)が主に副経路中心だったのに対し、主経路も同時に押せるのが特徴です。(パスメド-PASS MED-)

従来薬との比較で期待できる点

国内第III相では0.005%ラタノプロストに対する非劣性が示され、1日1回の簡便な投与で主要PG製剤と同等の眼圧下降が期待できます。主+副経路のデュアル機序により、PG単独で不十分な症例や、併用設計時の作用機序の補完としても位置づけやすいのが利点です。(market-scope.com)

有害事象の注意

結膜充血の報告が比較的多く、睫毛の変化・眼瞼多毛、まれに虹彩色素沈着などPG系に共通する副作用には注意が必要です。処方後は充血や美容上の変化の出現をフォローします。(パスメド-PASS MED-)

想定される対象患者

  • 初期治療の第一選択薬の一つとして(ガイドライン上のPG系枠に位置づけ)。

  • ラタノプロスト等PGF2α単剤で効果不十分、あるいは併用強化を検討したい症例。

  • 夜1回点眼でアドヒアランスを高めたい患者。

  • 角膜上皮障害や炎症既往などのある患者では個別に慎重投与。(パスメド-PASS MED-)

まとめ

セタネオはFP+EP3のデュアル機序で主・副両経路の流出を促進し、ラタノプロストに非劣の眼圧下降を示した新規選択肢です。実地では、PG系の“効きの頭打ち”を感じる症例の切替・上乗せや1日1回の簡便性を生かした初期選択として、個々の副作用プロファイルを見極めつつ活用が期待されます。(market-scope.com)


参考:参天製薬の承認発表、KEGG医薬品データ、国内解説記事(機序・第III相要約)。(医薬通信社)

清澤のコメント:また新たな緑内障点眼薬が情死されるようです。パンフレットをいただきましたので要点をまとめてみました。

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