緑内障

[No.4378] コンタクトレンズ診療で来院された近視のある患者さんに向けて、視神経繊維層の欠損を理由に視野検査を勧める状況を説明します

コンタクトレンズ診療で来院された近視のある患者さんに向けて、視神経繊維層の欠損を理由に視野検査を勧める状況を説明します


近視のある方の眼を詳しく調べると、眼の奥にある網膜の断層画像(OCT検査)で、「神経線維層」と呼ばれる部分が、やや薄く見えることがあります。神経線維層は、目で見た情報を脳へ送る大切な“電線”のような役割を担っており、この部分が減ってくると、緑内障との関連が問題になることがあります。

ただし、ここで大切なのは、「神経線維層が少し薄い=すぐに緑内障」というわけではない、という点です。特に近視のある方では、眼球の形の影響で、もともと神経線維層が薄く見えやすいことが珍しくありません。そのため、画像検査だけで緑内障かどうかを確定することはできず、「実際に見える範囲(視野)」に異常が出ていないかを確認する必要があります。

そこでお勧めするのが「視野検査」です。視野検査では、半球状のドームの前に座り、片目ずつ検査を行います。検査中は中央の点を見続けていただき、周囲のさまざまな場所に一瞬ずつ光が出ます。その光が「見えたかどうか」をボタンで答えていただくことで、視野に欠けている部分がないかを調べます。痛みはなく、体への負担も少ない検査ですが、集中力が必要なため、片眼につき数分程度かかります。

この検査で、もし視野に特徴的な欠損が見つかれば、緑内障の可能性が高くなり、進行を防ぐための点眼治療をご提案します。緑内障は自覚症状が出にくい病気ですが、早い段階から治療を始めることで、将来の視野障害を抑えることが期待できます。

一方で、視野検査に異常が見つからない場合も多くあります。その場合は、「今すぐ治療が必要な緑内障ではない」と判断し、翌年以降も同じ検査を繰り返しながら、変化がないかを見守っていきます。これは「念のための経過観察」であり、病気が確定したという意味ではありません。

コンタクトレンズの処方は、視力をよくすることが目的ですが、同時に目の健康を守ることも非常に重要です。今回お勧めする視野検査は、「万が一」を早めに見つけるための安全確認の検査です。今後も安心してコンタクトレンズを使い続けていただくために、必要な検査としてご理解いただければ幸いです。

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