清澤のコメント:「緑内障患者支援システムACT Pack 導入前後の 緑内障患者通院継続率の変化」という第32回日本緑内障学会の原著の抄録です。初めて緑内障と診断され、緑内障治療を開始されるべき症例に対してこのキットは使われ、私の医院でもこれをお渡ししています。その患者さんが自分が緑内障であることを理解し、定期的な受診および緑内障点眼薬の継続使用を必要とすることを理解させるためのキットです。有意差を持って治療継続が可能になったというある意味当たり前な結果ではあります。
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2022年6月30日 木曜日
《第32回日本緑内障学会原著》あたらしい眼科39(6):814.817,2022
緑内障患者支援システムACTPack導入前後の緑内障患者通院継続率の変化
髙田幸尚*1住岡孝吉*1田中公子*1,2雑賀司珠也*1*1和歌山県立医科大学視覚病態眼科学*2南和歌山医療センター眼科
目的:緑内障患者向け通院継続支援システCAiming for ContinuousTreatment(ACT)Pack(参天製薬)の導入前後における緑内障患者の診断から12カ月間の受診状況に関して検討を行った.
症例:2018年C4月.2019年3月に南和歌山医療センター眼科でCACTPackを用いた46例46眼(導入後群)と,2017年4月から2018年3月のCACTPackを用いていないC22例(導入前群)を対象とした.連続症例とし,死亡・転居・転院した患者は除外とした.
方法:緑内障治療開始6,12カ月後に受診した割合をχ2乗検定で比較検討した.また,治療開始C12カ月における治療継続率をKaplan-Mayer法で検討した.通院脱落を死亡としてClog-rank検定で比較した.
結果:緑内障治療開始6,12カ月後の受診率は導入前群で90.9%,77.3%,導入後群で100%,96.2%であり12カ月後に有意差があった(p<0.05).また,log-rank検定より,ACTPack導入後のほうが治療開始C12カ月後の生存率は有意に高かった(p<0.05).
結論:ACTPack導入により,治療開始C12カ月の時点で治療継続率は高まった.
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