神経眼科

[No.1704] 日本眼科学会:神経眼科・眼球運動、症例報告(視神経)

清澤のコメント;日本眼科学会:神経眼科・眼球運動、症例報告(視神経)の部分の聴講記憶です。日本眼科学会のビデオでの聴講もあと10日間になりました。
◎ P1-045 水平眼球運動時における視神経乳頭血流速度の比較 河合 愛実 (北里大) :症例報告というよりは実験的な研究の発表。内転時に視神経周囲の変形が起きる。緑内障に関連することが予測される。正常眼およびPOAGで、内転および外転時に視神経乳頭血流は低下していたが、正常眼と緑内障眼の差はなかったとの結論。
◎ P1-046 視神経症で発症し全脳放射線治療により視機能を温存しえた髄膜癌腫症の1例 中山 佳純 (慶應大 , 永寿総合病院)
髄膜癌腫症は,がんの転移性合併症の一つであり,極めて予後不良の疾患である。神経症状出現より頭痛や嘔気などの段階で診断することで日常生活動作度を維持することが求められる。また,一部の癌種においては分子標的薬も有効なことがあり,症状緩和だけにとどまらず,寛解の得られる例も認められつある。
◎ P1-047 巨細胞性動脈炎と特発性直回ヘルニアを併発した視神経症の一例 寺島 まり絵 (東京都健康長寿医療センター)
注:特発性直回ヘルニアとは:The inferior gyrus rectus下直回は、頭蓋内視神経および視交叉の上の前頭蓋窩底に位置します。この領域に腫瘤や異形成があると視神経が圧迫され、視覚障害が生じる可能性があります。Walsh らは、視神経障害の原因の可能性として直回ヘルニアを最初に記載しましたが、放射線学的研究では臨床的特徴を確認していません。Klingele et alと Sharma et alは、前頭葉の腫瘤性病変が、視交叉の圧迫を伴う鞍上槽への直回のヘルニアを引き起こす症例を報告した。西岡らは直回による「圧迫」は、視神経障害の原因が特定できない場合、視神経が直回と接触しており、回に沿って輪郭が歪んでいることを示す MRI 特徴によって特定できるものとして定義しています。(鈎ヘルニアuncal herniaとは別の物です)
◎ P1-048 診断に苦慮した抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の一例 郡司 尚典 (東邦大・大橋)
注:抗アクアポリン4抗体陽性視神経は片眼あるいは両眼に誘因のない重篤で急激な視力障害で発症することが多く、わが国では中高年の女性に好発することが知られている。半数の症例では眼球の深部痛や運動痛を伴う。眼の症状以外にも腕や脚のしびれや脱力、排尿障害などの脳脊髄症状が伴うこともあり、近年では視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD)の1病型と考えられている。
;;軽微な外傷がAq4抗体視神経炎の可能性を論じているが??
◎ P1-049 抗真菌薬治療が有効であった副鼻腔真菌症による鼻性視神経症の一例 寺西 慎一郎 (山口大):アスペルギルス抗原が陽性で、ポリコナゾル、アンフォテリシンbで治療が知れて奏功している。非浸潤型だったので外科治療を要さなかったらしい。
◎ P1-050 Reliability and Validity of FacePos Application for Measuring Abnormal Head Postures Kittipop Sounkaew (Chulalongkorn Univ):演者らが開発したスマートフォンを用いた眼位測定法の紹介であり、この方法ならば、相当に有効であると信じられる。正面、右向き、左向き、右傾き、左傾きでの含意測定が可能である。
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