[No.2629] 馬の変性性脊髄脳症の獣医ジャーナルの論文

https://doi.org/10.1016/j.tvjl.2024.106129

ウマの神経軸索ジストロフィー（eNAD）またはウマの変性性脊髄脳症（EDM）は、主に若い馬に影響を及ぼす神経変性疾患です。これはビタミンE欠乏症に起因し、脊髄と脳幹で神経軸索の変性を引き起こします。臨床的には、eNADとEDMは区別できません。遺伝的原因は、どの品種でも不明です。

ウマのNAD/EDMは、生後1年間のビタミンE欠乏に関連する遺伝性の神経変性疾患であり、脊髄失調症の2番目に多い原因です。ウマのNAD/EDMは、対称性運動失調、安静時の広基底立位、固有受容欠陥などの神経学的兆候の突然の発症を特徴とします。現在、どの品種においてもeNAD/EDMの生前検査は行われていません。最終的な診断には、剖検時に脳幹と脊髄の死後の組織学的評価が必要です。生前のバイオマーカーと遺伝子検査に関する研究が進行中であり、eNAD/EDMの遺伝子検査の開発は広範囲に影響を与えるでしょう。現在、eNAD/EDMに対する最善のアプローチは、妊娠中の牝馬と子馬に牧草地へのアクセスを提供することにより、症例の予防に重点を置くことです。また、妊娠後期に母馬の飼料に高用量の水溶性RRR-α-トコフェロールを補給し、子馬には生後2年間継続して補給することもできます。サプリメントを補給する前に、馬のベースライン血清ビタミンEレベルを測定することが重要です。一般に安全であると考えられていますが、ビタミンEを過剰に補給すると凝固障害を引き起こす可能性があります。ウマのNAD/EDMは、アメリカンクォーターホース（QH）やルシタノス、スタンダードブレッド、サラブレッド、ウォームブラッドなどの他のいくつかの品種における遺伝的感受性と生後早期のビタミンE欠乏の組み合わせによって生じると考えられています。遺伝的原因はまだ明確ではありませんが、広範な研究が進行中です。