神経眼科

[No.2811] 睡眠を計測するウェアラブルデバイス 岸本泰士郎、北沢桃子他

睡眠を計測するウェアラブルデバイス 岸本泰士郎、北沢桃子、木下翔太郎:2番目の著者の北沢先生は京都の大学の心理学科を卒業されて、慶応大学の眼科の大学院生として上京されたころに、眼の緊張を測る眼鏡型の試作ウェアラブルデバイス検証実験のお手伝いさせていただいた方だと思います。特任助教として今もご活躍の様でお慶び申し上げます。:日本医師会雑誌の睡眠障害について掛かり付け医が知っておきたいこと一口メモというコラムの要旨です。2番目の著者の北沢先生は京都の大学の心理学科を卒業されて、慶応大学の眼科の大学院生として上京されたころに、眼の緊張を測る眼鏡型の試作ウェアラブルデバイス検証実験のお手伝いさせていただいた方だと思います。特任助教として今もご活躍の様でお慶び申し上げます。

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このコラムの主旨は、睡眠計測の手法とその進展、特にウェアラブルデバイスの現状と課題について述べている点にあります。

1. 睡眠ポリグラフ検査(PSG)の概要と限界:
– PSGは睡眠計測のゴールドスタンダードであり、脳波や心電図、筋電図などを測定できるが、入院が必要であり患者への負担が大きい。
– 日常的な記録には向いておらず、従来は患者の自己記録に基づいて睡眠指導が行われてきた。

2. ウェアラブルデバイスの発展:
– センサやバッテリーの小型化、データ保存や送信技術の進展により、簡便にさまざまな生体情報を収集できるようになった。
– PSGに類似した機能を持ちながらも、軽量で自宅での計測が可能なデバイスが登場している。

3. 腕時計型ウェアラブルデバイスの仕組み:
– 多くは加速度センサによる体動計測を用いており、近年は脈拍計測のデバイスも普及。
– 光電式容積脈波法(PPG)を用いて脈拍変動を解析し、睡眠・覚醒の判定精度を向上させている。

4. 課題と展望:
– PSGは実生活の睡眠を反映するのが難しく、腕時計型ウェアラブルデバイスは長期的な記録が可能だが、脳波や眼球運動、筋電図は計測できないため信頼性に注意が必要。
– 計測不良やデバイスの着用忘れ、継続率の低下が課題。
– 簡易脳波計とのデータ統合で精度向上の可能性がある。
– 多種多様な製品やサービスが登場しており、健康経営の一環として企業で導入が進んでいるが、精度やエビデンスに一定の注意が必要。
– 睡眠時間の把握や生活リズムの捉え方に有効であり、今後も重要な存在となる。

このコラムは、従来のPSGの限界を指摘しつつ、新しいウェアラブルデバイスの利便性とその可能性、さらには課題について包括的に説明しています。

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