神経眼科

[No.2916] 神経眼科的疾患と心理カウンセリングの役割:

神経眼科的疾患と心理カウンセリングの役割

私は眼科医として、眼瞼痙攣などの神経眼科的な疾患に悩む患者さんを多く診療しています。これらの疾患は、単に身体的な要因だけでなく、心理的な問題が重篤化の原因に関連しているケースも少なくありません。特に、ストレスや不安が症状を悪化させることがよく見られます。そこで、月に一度臨床心理士小野木陽子先生を招聘して、臨床心理士によるカウンセリングを治療に取り入れることで、心理的要因に対処し、症状の軽減を図る取り組みを行っています。

今回は、臨床心理士によるカウンセリングの具体的な手法と、その効果についてご紹介します。

臨床心理士によるカウンセリング手法

カウンセリングでは、患者さんの心理状態にアプローチし、病状の悪化を防ぐためのさまざまな手法が用いられます。以下は、眼瞼痙攣の患者さんにも有効とされる代表的な手法です。

  1. 認知行動療法(CBT

認知行動療法は、患者さんの思考や行動パターンを分析し、ストレスや不安の元となる誤った認識を修正する手法です。眼瞼痙攣の場合、特にストレスが症状を引き起こしたり悪化させたりすることが多いため、この療法を通じて患者さんが自身の考え方や感じ方を整理し、ストレスを軽減することが期待されます。

  1. リラクゼーション法

リラクゼーション法は、深呼吸や筋肉の弛緩を促すことで、身体と心をリラックスさせる技術です。眼瞼痙攣は神経系の過度な緊張によって引き起こされることが多いため、日常生活にリラクゼーションを取り入れることで、症状の頻度や強さを和らげる効果が期待されます。

  1. ストレス管理

カウンセリングでは、患者さんにストレスの原因を特定し、それに対処する方法を学んでもらうためのサポートが行われます。ストレス管理のスキルを身につけることで、患者さんは自身でストレスを効果的にコントロールし、症状の悪化を防ぐことができるようになります。

カウンセリングの効果

臨床心理士によるカウンセリングは、心理的な問題が疾患に及ぼす影響を軽減する重要な役割を果たします。特に、ストレスや不安が症状の引き金となる場合、カウンセリングを通じて患者さんが自分自身の状態を理解し、より積極的に対処することが可能となります。これにより、症状のコントロールが容易になり、重篤化を防ぐ効果が期待されます。

心理的なアプローチを加えることで、患者さんは疾患の影響を受けにくくなり、生活の質を向上させることができるのです。

カウンセリングの手法とその効果を知ることで、神経眼科的な疾患においても、より総合的な治療を提供することが可能となります。

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