シェーグレン症候群とドライアイに関する説明
シェーグレン症候群は、免疫システムが自分自身の分泌腺を攻撃する自己免疫疾患です。これにより、涙や唾液の分泌が減少し、ドライアイやドライマウスなどの症状が現れます。この疑いがある場合、さまざまな検査を通じて診断を行います。以下は、患者さんに行われる眼科的、内科的、耳鼻科的な検査、および採血検査の説明です。
眼科的検査
- シルマーテスト(Schirmer test):
- 目に紙片を置いて、一定時間での涙の量を測定します。涙の分泌量が少ない場合、ドライアイの診断に役立ちます。
- 涙液層破壊時間測定(Tear Break-Up Time, TBUT):
- フルオレセイン染色を行い、瞬きをしないで目を開けている時間を測定し、涙液層が破壊されるまでの時間を計ります。短い場合、ドライアイが疑われます。
- 角結膜染色検査:
- フルオレセインやリサミン緑染色を使用し、角膜や結膜の損傷を評価します。ドライアイによるダメージの程度を確認できます。
内科的検査
- 全身症状の評価:
- 口の乾きや関節痛、倦怠感など全身の症状を評価し、シェーグレン症候群の可能性を考慮します。
- 唾液腺の評価:
- 唾液の分泌量を測定するために、ガムテストや唾液分泌量測定を行います。
耳鼻科的検査
- 唾液腺シンチグラフィー:
- 放射性同位元素を使用し、唾液腺の機能を画像化します。シェーグレン症候群による唾液腺の機能低下を確認します。
- 唾液腺超音波検査:
- 唾液腺の形態を超音波で観察し、腫れや異常をチェックします。
採血検査
- 抗核抗体(ANA):
- 自己免疫疾患の一般的なマーカーで、シェーグレン症候群の診断に有用です。
- 抗SS-A(Ro)抗体および抗SS-B(La)抗体:
- シェーグレン症候群に特異的な抗体で、陽性である場合、診断の確定に役立ちます。
- 血清免疫グロブリン(IgG):
- 免疫系の異常を示す高値が見られることがあります。
- リウマトイド因子(RF):
- 関節リウマチや他の自己免疫疾患のマーカーで、シェーグレン症候群の一部の患者でも陽性になります。
これらの検査を通じて、シェーグレン症候群およびドライアイの診断を行い、適切な治療計画を立てます。ご不明点があれば、いつでもご相談ください。
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