全身病と眼

[No.4439] 公表されたニュースによると、アフターピルが全国の薬局で購入可能に、その機序も解説

公表されたニュースによると、アフターピルが全国の薬局で購入可能に、その機序も解説

公表されたニュースによると、2026年2月2日から、緊急避妊薬(いわゆるアフターピル)である「ノルレボ」が、全国の薬局やドラッグストアで処方箋なしに購入できるようになります。年齢制限はなく、未成年であっても親の同意は不要とされています。これは、望まない妊娠を防ぐために、緊急時に薬を速やかに入手できるようにすることを目的とした制度変更です。

緊急避妊薬は、性交後72時間以内に服用することで妊娠の成立を防ぐ薬です。海外ではすでに多くの国で市販薬として広く利用されていますが、日本ではこれまで医師の診察と処方箋が必要で、時間的・心理的なハードルが高いという課題がありました。今回の変更により、そうした障壁が一定程度解消されることになります。

ただし、どの薬局でも購入できるわけではありません。プライバシーへの配慮がなされ、近隣の産婦人科と連携体制を持つなど、厚生労働省が定めた条件を満たす店舗のみでの販売となります。オンライン販売は認められておらず、薬剤師の面前で服用することが条件です。価格は1錠7480円で、購入できるのは実際に服用を希望する女性本人に限られています。

緊急避妊薬「ノルレボ」の作用機序とは

ここで、ノルレボがどのようにして妊娠を防ぐのか、その仕組みを簡単に説明します。

ノルレボの主成分は「レボノルゲストレル」という黄体ホルモンです。この薬の最大の作用は、排卵を遅らせたり、抑制したりすることにあります。排卵が起こらなければ、精子と卵子が出会うことができず、妊娠は成立しません。

また、子宮内膜の状態を一時的に変化させ、受精卵が着床しにくくなる可能性も指摘されています。ただし、すでに妊娠が成立した後にそれを中断する作用はなく、いわゆる「中絶薬」とは明確に異なります。この点は誤解されやすいため、正しい理解が重要です。

利便性向上とともに必要な正しい知識

今回の制度変更は、女性の自己決定権や健康を守るうえで大きな前進といえます。一方で、緊急避妊薬はあくまで「緊急時の手段」であり、日常的な避妊方法の代わりになるものではありません。また、服用後に不正出血や吐き気などの副作用が出ることもあります。

眼科医の立場から見ても、薬は「使えるようになった」こと以上に、「正しく理解して使われる」ことが重要だと感じます。今回のニュースをきっかけに、避妊や性の健康について、落ち着いて考える機会が社会全体に広がることを期待したいと思います。

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