仮性近視(偽近視)と調節緊張症について
仮性近視(偽近視)と調節緊張症について、小学生の患者さんとその親に説明するための情報を以下にまとめます。どちらも似た状況ですが仮性近視は定常的な印象、調節緊張症(更に重症ならば調節痙攣)は調節状態が落ち着かない動的な印象です。これらの疾患では初診時の視力検査では近視と診断されますが、同日中でも調節麻痺後に再検査すると近視が減少する特徴があります。
仮性近視(偽近視)
症状
- 視力低下: 近くはよく見えますが、遠くがぼやけて見える状態で来院します。
- 目の疲れ: 長時間の読書やコンピュータ使用後に目が疲れると訴えます。
- 目の痛みや不快感: 調節に伴う不快感や痛みがあることがあります。
検査所見
- 視力検査: 測定時の視力が低下しているが、調節機能検査で改善する場合があります。
- 屈折検査: 調節をリラックスさせた状態(ミドリンPまたはサイプレジン点眼検査)で、屈折度数が近視が減る方向に変化することがあります。
治療法
- 調節練習: 遠くと近くを交互に見る練習を繰り返します。
- 目の休息: 50分勉強したら10分休むようにすることが重要です。
- 眼鏡使用: 必要に応じて近用眼鏡を使用します。
- 点眼薬: 調節麻痺薬(ミドリンMなど)を使用する場合があります。
調節緊張症
症状
- 近くが見えづらい: 近くを見るときにピントが合わないことがあります。
- 目の疲れ: 調節機能が過剰に働くため、目が疲れやすいです。
- 頭痛: 長時間の近業作業後に頭痛が生じることがあります。
検査所見
- 視力検査: 遠くも近くも視力が低下していることがあります。
- 調節機能検査: 調節力が過剰に働いていることが確認されます。
治療法
- 視力訓練: 調節をリラックスさせるための訓練を行います。
- 調節麻痺薬: 低濃度のアトロピンやミドリンM点眼で調節をリラックスさせます。
- 正しい姿勢: 読書やコンピュータ使用時の姿勢を正しくします。
- 視力矯正: 必要に応じて適切な眼鏡を使用します。
親への説明
仮性近視と調節緊張症は、適切な治療と管理によって改善可能な状態です。日常生活での目の使い方や休息の取り方に気を付けることが重要です。また、定期的な眼科検診を受けることで、視力の変化を早期に発見し、適切な対処が可能となります。
この情報を基に、お子さんの視力をしっかり管理していきましょう。
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