コンタクトレンズ・眼鏡処方

[No.2856] 成人の乱視について

成人の乱視について、症状、原因、診断を述べてください。対策としての眼鏡処方、乱視用コンタクトレンズの知識、乱視矯正にはハードコンタクトレンズがソフトコンタクトレンズより優れている点を述べてください。
(縦方向と横方向のボケ具合が違っている)
乱視は、眼の屈折異常の一つで、物がぼやけて見える症状を引き起こします。
特に、直線が歪んで見えたり、複数の焦点が生じるため、物が二重に見えることがあります。特に整乱視では、乱視表を見せると放射状に並べた太さの等しい線に図のように濃い部分と薄い部分が見えると答えます。日常生活では、細かい文字が読みにくい、夜間の視力が低下する、目の疲れや頭痛が起こりやすくなることも特徴的です。

2. 乱視の原因

乱視は、角膜や水晶体の形状が均一でないことが原因で発生します。通常、角膜や水晶体は表面が球形で光が一点に集まるように屈折しますが、目の表面が球状ではなくラグビーボールの様である乱視があると、これらが楕円形になり、光が複数の点に焦点を結ぶため、視界がぼやけます。特に原因は無くても多くの人には多少の乱視成分は存在し、強い乱視には遺伝的要因や外傷、手術なども原因として考えられます。

3. 乱視の診断

乱視は、上に紹介した乱視表でその存在を推定するほかに、精密な視力検査や角膜の形状を測定する検査(角膜トポグラフィー)を通じて診断されます。通常の視力検査で見え方の歪みが確認された場合、さらに精密な検査を行い、乱視の程度や軸を特定します。

4. 対策としての眼鏡処方

通常の乱視は眼鏡で簡単に矯正できます。乱視用眼鏡レンズは、特定の方向に曲がりやすい光を矯正し、視界をクリアにします。眼鏡は、定期的な視力検査を行い、度数の変更があれば速やかに対応できるため、簡便で効果的な対策です。

5. 乱視用コンタクトレンズの知識

乱視矯正用コンタクトレンズには、トーリックレンズと呼ばれる専用のレンズがあります。このレンズは、乱視の方向に応じて異なる屈折力を持ち、視界を調整します。乱視用コンタクトレンズは、乱視の方向に合った位置(角度)で安定することが必要なため、レンズが目の中で回転してしまうと見えにくくなります。乱視用ソフトレンズは独自のデザインを採用し、数回のまばたきでレンズが乱視の方向にすばやく合致させて、生活の中でのさまざまな目の動きに対してもレンズは安定し、クリアで安定した視界をもたらします。乱視用のレンズにはソフトコンタクトレンズのほかに、ハードコンタクトレンズも存在し、それぞれに利点があります。

6. ハードコンタクトレンズが優れている点

乱視矯正において、ハードコンタクトレンズ(RGPレンズ)はソフトコンタクトレンズに比べて以下の点で優れています:

  • 精度の高い矯正: ハードレンズは乱視成分も含めて角膜の形状を矯正し、均一な屈折力を提供するため、高度な乱視でも効果的に矯正できます。
  • 長持ちする視力矯正効果: ハードレンズには耐久性があり、乱視の矯正効果が持続しやすい傾向があります。
  • 酸素透過性: ソフトレンズに比べて酸素透過性が高く、目にかかる負担が少ないため、長時間の装用にも適しています。

まとめ

乱視は、視力低下や眼精疲労を引き起こす原因となりますが、眼鏡やコンタクトレンズを使用することで効果的に矯正が可能です。特にハードコンタクトレンズは、乱視矯正において高い効果を発揮するため、患者さんのニーズに合わせた適切な選択が重要です。乱視が心配の方は眼科医にご相談ください。

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