これからの小児の近視診療に向けてというウェブ講演会が開かれ、その延長放送が2025年3月21日(金)13:00~3月24日(月)13:00に参天製薬のページ上で放映されています。
座長:大野 京子 先生(東京科学大学)、白根 雅子 先生(しらね眼科)
①日本初の近視進行抑制点眼剤「リジュセア®ミニ点眼液0.025%」
演者:平岡 孝浩 先生(筑波大学)
内容は先日、お茶の水で行われたセミナーで都立広尾病院の五十嵐先生が話された内容に近いもので、国内治験の成果についてお話しされました(下記参照)。
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筑波大学眼科による研究:
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参天製薬とシンガポールアイリサーチインスティテュート共同開発:
②近視進行抑制を取り巻く医療制度
演者:原 信哉 先生(はら眼科)
原先生は、低濃度アトロピン点眼による近視進行予防の治療が保険診療ではなく私費診療に含まれるものであることから説明を始められ、その実施に伴う医療費請求上の注意点を詳しく説明されました。この場合、視力、眼圧、細隙灯、眼底なども含めてすべてを私費診療とすることで混合診療になることを避けなくてはならないと説明されました。患者さん(およびその親)への説明に有用なハンドアウトも参天製薬のページからダウンロードできるそうです。なお、この内容は4月号の『日本の眼科』に間もなく掲載されるそうですので、そちらから詳しく知ることができるでしょう。
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実施に当たっては、これが通常行われている保険診療ではなく、自由診療の枠組みで行われるものであることを認識して行わなくてはならない。
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保険診療とは:
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保険診療は、保険者と保険医療機関との間の公法上の契約に基づく「契約診療」である。
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保険で認められる範囲内で診療を行う。
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審査支払機関で点検・審査する。
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この仕組みは、健康保険法等の医療保険各法で規定されており、これらの規定に同意した医療機関等が自由意思で契約する。
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自由診療とは:
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治療の内容や費用を含め、医療機関と患者の間の契約に基づいて医療が行われる。
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国内で未承認または保険適応となっていない薬剤や治療法を行うことが可能。
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医師法・医療法の制限を受ける。
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実施時の注意点:
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保険診療と自由診療で診療録を分けて作成、記載する必要がある。
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同一の疾患に対して、同日であっても別の日であっても保険診療と自由診療を併用することはできない。
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自由診療の場合は、高額療養費制度なども適用外となる。
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自由診療を受ける患者さんには内容・料金の説明を行い、内容・料金も記載されている書面に同意のサインをもらって治療を行う必要がある。
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