小児の眼科疾患

[No.3700] 3歳児健診でよく見つかる目の問題とは?親御さんが知っておきたいこと

3歳児健診でよく見つかる目の問題とは?親御さんが知っておきたいこと

3歳児健診は、お子さんの発達にとってとても大切な節目の検査です。この時期に行われる「視力検査」や「眼科的チェック」で、目に関する問題が初めて見つかることも少なくありません。今回は、健診でよく指摘される目の状態について、親御さん向けにわかりやすくご説明します。


弱視(じゃくし)

  • 発見率:約1~2%

  • 視力の発達が遅れていて、視力が年齢相応に出ていない状態です。原因には「遠視」「乱視」「斜視」「不同視(左右差)」などがあります。

  • 見つかると早めに眼鏡や訓練を始めることで、視力が発達しやすくなります。

  • 正常な3歳児の視力は0.6~0.9程度が目安とされています。


遠視・乱視・不同視

  • 発見率:約3~5%

  • 「遠視」は遠くも近くもぼやけることがあり、視力の発達に支障が出ます。

  • 「乱視」は物がゆがんで見え、視力が育ちにくくなります。

  • 「不同視」は左右の目で屈折の度合いが大きく違うことで、見え方のアンバランスから弱視になることがあります。

  • これらは視力検査と屈折検査(検眼)で分かります。


斜視(しゃし)

  • 発見率:約1~2%

  • 片目が正面を向いているときに、もう片方の目が別の方向を向いてしまう状態です。内斜視(目が内側を向く)が多く見られます。

  • 斜視があると、両目で物を見る「立体視(3Dで見る力)」が育ちにくくなります。

  • 治療には眼鏡や訓練、必要であれば手術も選択肢になります。


屈折異常の早期発見(視力低下の予防)

  • 健診を受けた3歳児のうち、約6〜10%に何らかの異常が見つかるとされます。

  • 正常範囲でも軽度の遠視や乱視がある場合もあり、経過観察が必要なことがあります。


まぶたや目の形の異常

  • 例:睫毛乱生(逆さまつげ)、眼瞼下垂(まぶたが下がっている)など

  • 軽度であれば経過観察ですが、目に触れる癖がある、充血や涙目が続く場合は詳しく診察します。


まとめ:3歳児健診で大事なこと

3歳頃は、視力が大きく伸びる大事な時期です。この時期に視力の問題を早く見つけ、対策を始めることで、お子さんの将来の見え方を守ることができます。

健診で「要精密検査」と言われた場合も、すぐに深刻に考えすぎず、まずは眼科での詳しい検査を受けましょう。早めに対応することで、多くのケースで良い視力が得られます。

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