[No.3121] 東京の再開発は社会の構造的問題を浮き彫りにしている：モーリー・ロバートソン氏考察

モーリー・ロバートソン氏の考察では、東京・渋谷駅周辺などの再開発が、日本社会の構造的な問題を浮き彫りにしていると指摘しています。以下に要約します。一見街は明るく近代的になってゆきますが、その再開発に連れて温かみのある個人経営の食堂や店は消えて、全国チェーンの店ばかりになってゆくのは自由が丘でも見慣れた状況となっています。：(https://news.yahoo.co.jp/articles/8f531b4868fb7e07d9b577c7b171fb0df93d9803)

1. 再開発による街の変容
   渋谷や吉祥寺の再開発は、経済合理性や利便性を優先し、共有空間（コモンズ）が減少。結果として、地域の特色が失われ、日本全国で画一的な街並みが広がっている。

2. 格差の可視化
   再開発エリアは高所得層やインバウンド観光客を主な対象にしており、普通の若者や中低所得層の居場所が減少。格差が「見えない」状態から「むき出し」になっている。

3. 善意が生む問題
   再開発は悪意ではなく、むしろ善意で進められているが、結果的に強者に資源が集中し、カルチャーや街の活力が失われる。この善意による最適解が社会問題を助長している点が厄介である。

4. 経済構造の歪み
   昭和時代の分配の仕組みが機能せず、空き家問題や中低所得層の不満が蓄積。これが既存体制への反発やポピュリズム運動の土壌を形成している。

5. 危惧する未来像
   2016年のトランプ旋風前夜のアメリカと類似性が見られるとし、日本でも同様の社会的分断やポピュリズムの台頭が懸念される。

結論として、モーリー氏は、経済合理性や利便性だけでなく、地域独自の活力や共有空間の価値を再評価する必要性を訴えています。

渋谷の現況を示す動画です。（私は毎朝、埼京線から東横線に此処で乗り換えていますが、スクランブルスクエアのビルにはほとんど入ったことがありません。）