新しいリーダー誕生と「暮らしと医療」のこれから
― 高市新総裁で動く日本経済 ―
日本の政治に新しい風が吹いています。自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に選ばれ、次の首相としての期待が高まっています。このニュースを受け、株式市場では“高市トレード”と呼ばれる現象が起きました。防衛産業やサイバーセキュリティーなど、高市氏が強調してきた政策に関連する企業の株が急上昇したのです。
けれども、実際に高市氏が掲げてきた政策の中心は、「国を守る」だけではありません。医療・介護・教育・食の安全といった、人々の生活に直結する分野が多く含まれています。フィリップ証券の笹木和弘氏は、「これから注目すべきは、防衛関連よりもむしろ医療や消費関連だ」と指摘しています。診療報酬や介護報酬の見直し、低所得層への給付付き控除、食料安全保障など、日常生活を支える政策が重視されているからです。
たとえば医療の現場では、診療報酬の改定が行われれば病院経営や医師・看護師の働き方にも影響が出ます。さらに介護報酬が上がれば、地域の高齢者ケアの環境が改善される一方、財源の確保が課題になります。こうしたテーマは、株式市場のニュースのようでいて、実は患者さんや地域社会の医療にも関わる問題なのです。
医療費や保険制度は国の経済状況と切り離せません。景気が良くなれば税収が増え、医療・介護に回せる予算も拡大します。逆に景気が冷え込めば、診療報酬の伸びや新しい薬の保険適用にブレーキがかかることもあります。経済と医療は、血管と血液のように互いに支え合って流れているのです。
また、今回の株価上昇には米国経済の影響もあります。アメリカではAI(人工知能)関連投資が進み、巨大な「スターゲート計画」と呼ばれるインフラ構想も話題になっています。こうした技術革新は日本の産業にも波及し、医療AIや診断支援の分野にも新しい展開をもたらします。例えば眼科の領域でも、OCT画像をAIが解析して緑内障や黄斑変性を早期に検出する研究が進んでいます。AI投資の波は、医療技術の進歩という形で私たちの診療現場にも届くのです。
一方で、政治の動きには注意も必要です。高市氏は保守色の強い政策を掲げる一方で、公明党や他党との連立関係の調整も求められています。政策が順調に進むかどうか、議会での合意形成が鍵を握ります。経済は期待だけで動く時もありますが、実行が伴わなければ株価は再び落ち着きを取り戻します。短期的な変動に一喜一憂せず、長期的に「国の方向」と「私たちの暮らし」のつながりを見ることが大切です。
では、私たちはこのニュースから何を学べばよいのでしょうか。
それは、医療も経済の一部であるという視点です。診療報酬や医療制度の改定は、政治や景気の影響を受けながら決まっていきます。だからこそ、患者さんも医療従事者も、経済や政治の動きを“自分事”として感じておくことが大切なのです。
眼科の現場でも、高齢化による白内障や緑内障の増加、医療機器のコスト上昇、AI診断導入への投資など、経済政策が少しずつ診療に影響しています。医療の安心を守るには、政治と経済を見つめる冷静な目が必要です。
新しいリーダーが生まれた今こそ、医療と暮らしを支える政策が着実に進むことを期待したいと思います。
出典
「〖緊急インタビュー〗高市新総裁で日経平均急騰、ここからの読み筋 フィリップ証券・笹木和弘氏」
Yahoo!ファイナンス/株探ニュース(2025年10月6日配信)
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/d5277f2dff85e9ba0a2eef63b3d02eba9c441e86
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