社会・経済

[No.4188] 眼科検査機器などを製造して我々眼科にもなじみの深いニデックという会社は、昨年来株が暴落しているニデックとは全くの別会社ですか?

眼科検査機器などを製造し扱い、我々眼科にもなじみの深いニデックという会社は、昨年来株が暴落しているニデックとは全くの別会社ですか?なぜ同じ会社名になってしまったのですか?
👉 はい、「眼科検査機器などを製造しているニデック株式会社(NIDEK CO., LTD.)」と、今回株価が暴落している「日本電産株式会社(NIDEC CORPORATION)」は、全くの別会社です。

ただし両社とも英語表記が似ており(NIDEKとNIDEC)、発音もほぼ同じため、混同されやすいのです。以下に整理して説明します。


◎ 1. 眼科機器メーカー「ニデック株式会社(NIDEK CO., LTD.)」

  • 本社所在地:愛知県蒲郡市

  • 設立:1971年(創業者:永守重信氏とは無関係)

  • 事業内容:眼科・眼鏡店・レーザー・歯科・医療分野向けの光学精密機器の開発・製造・販売

  • 主な製品

    • オートレフ/ケラトメータ

    • 眼底カメラ・OCT

    • 屈折矯正レーザー装置(LASIK関連)

    • コンタクトレンズ検査機器、視力検査システム など

  • 特徴:世界120か国以上に展開し、医療機器としての精度と信頼性で高い評価を得ています。眼科医療分野では世界でも屈指のブランドのひとつです。

  • 上場状況:非上場(株式市場には公開されていません)。

    → したがって「株価暴落」とは一切関係がありません。


◎ 2. 株価急落の「日本電産株式会社(NIDEC CORPORATION)」

  • 本社所在地:京都市南区久世殿城町

  • 創業者:永守重信(ながもり・しげのぶ)氏

  • 事業内容:モーター・精密小型モータ・車載駆動ユニット(EV関連)などの設計・製造・販売

  • 英語表記NIDEC CORPORATION(発音:ナイデック/ニデック)

  • 証券コード:6594(東証プライム上場)

  • 今回の問題

    • 海外子会社の会計処理不備

    • 監査法人による「意見不表明」

    • 決算報告の遅延

      などにより、2025年11月上旬から株価が急落しています。


◎ 3. 混同が起こりやすい理由

  • ローマ字表記が NIDEK(眼科機器)NIDEC(モータ大手) で非常に似ている。

  • 両社とも「精密機械」「光学・電子制御」などハイテク分野に関係している。

  • 報道やSNSなどでは「ニデック株が暴落」と書かれることが多く、カタカナ表記では区別できない。

実際に多くの医療関係者や投資家から「眼科機器のニデックが不祥事を起こしたのか?」という誤解が一時的に広がっていますが、両社は資本関係も人的関係も一切ありません。


◎ まとめ(眼科ブログ向け説明)

最近ニュースで「ニデック株が暴落」と報じられていますが、これは京都のモーターメーカー「日本電産株式会社(NIDEC)」のことです。

私たち眼科で日常的に使用している「オートレフ」や「OCT」を製造する「ニデック株式会社(NIDEK)」とは、名前が似ているだけで全く別の会社です。

愛知県のNIDEK社は医療機器の信頼性で世界的にも高い評価を維持しており、今回の株価暴落とは一切関係ありません。

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