清澤のコメント:NATO諸国は300両の戦車をウクライナに供与することを決め、さらにF16戦闘機の供与も考えている模様である。そんな中、今後のロシアがどう変化するかを先取りして論じた記事がニューズウイークに出ている。ロシア崩壊後、日本ではロシアの脅威が減ったことでは済まず、自民党も政権を失った。我々も、今後の世界の枠組み変化を考えたい。
ーー記事抄出ーーー
ロシアは多くの国家に分裂し、中国の弱い属国になる
隣人たちにも嫌われた(1月22日。チェコの反プーチン・デモではウクライナを喰らうプーチンの絵が登場) David W Cerny-REUTERS
<ロシアはウクライナに敗北し、「2度目のソ連崩壊」を起こす可能性が高い。そうなれば、ユーラシアの地図は激変する、と複数の専門家が予想する>
ウクライナがロシアに勝利すれば、私たちが知る「ロシア連邦」は崩壊することになるかもしれない。
イギリスの「王立国際問題研究所」のティモシー・アッシュは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とロシア軍がウクライナに敗れるのは避けられないと考えている。アッシュは、戦争に敗北すればロシアは複数の国家に分裂することになるだろうという考えを示した。「1991年のソ連崩壊の時のように、ロシア連邦が崩壊して数多くの新国家に分裂する可能性もあると思う」とアッシュは述べた。
領土拡大の野心が裏目に
現在のロシア連邦は89の構成主体によって構成されている。これを基に考えると、ロシア連邦が崩壊した場合、20の国家が誕生する可能性がある。
1991年のソビエト連邦崩壊で、主権国家としてのソ連はその存在を終えた。それがウクライナに独立をもたらし、そこからロシアとの対立の歴史が始まった。
米ラトガーズ大学のアレクサンダー・モティルは、プーチンが権力の座を去った後には「熾烈な権力闘争」が起き、「中央集権制が崩壊し、ロシア連邦が分裂する」可能性が高いと指摘した。
「誰が権力を握っても政権は弱体化し、ロシアは戦争遂行にかまけてはいられなくなるだろう」とモティルは述べた。「この混乱を生き延びた場合、ロシアは中国の弱い属国と化す可能性が高いし、生き延びられなければ、ユーラシアの地図は大きく変わる可能性がある」
フランスのシンクタンクのブルーノ・テルトレも「今回の戦争によってロシアに最も近い複数の隣国も『脱ロシア』を望むようになった」という。
米シンクタンクのヤヌシ・ブガイスキは「西側の当局者たちは、ロシア崩壊の影響に備えたり、ロシア帝国主義の崩壊につけ込んだりする代わりに、冷戦後の過去に戻れると信じたがっているように見える」という。
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