糖尿病網膜症・加齢黄斑変性・網膜疾患

[No.3561] 錐体ジストロフィーについて説明します

錐体ジストロフィーについて

錐体ジストロフィーは、網膜にある視細胞のうち、特に明るい場所での視力や色の認識に関わる「錐体細胞」が障害される、遺伝性の進行性眼疾患です。この病気では視野の周辺よりも中心部分が見えにくくなる「中心暗点」が主な症状で、初期には視野の狭さよりも“見たいところが見えにくい”という訴えが目立ちます。以下に症状や、好ましい生活習慣、好ましくない生活習慣などを纏めてみます。網膜色素変性症ではコーン(錐体細胞)とロッド(桿体細胞)が同時に弱ることが多いですがこのうち網膜の中央部分に多く分布する錐体細胞の変性が強いタイプを錐体ジストロフィーと分類すると考えてよいでしょう。

主な症状

  • 視力低下:中心視力が低下し、小さい文字が読みづらくなったり、細かい作業が困難になります。

  • 中心暗点:見ようとする対象の中心が黒く抜けて見える、あるいはぼやけて見えるようになります。

  • 羞明(しゅうめい):まぶしさを強く感じ、屋外や明るい室内で不快感を覚えることがあります。

  • 色覚異常:色の違いが分かりにくくなり、色があせて見えるようになります。

この病気は進行性で、年齢とともに症状が徐々に悪化することがありますが、夜間視力や周辺視野(杆体細胞の働き)は比較的保たれることが多く、暗い場所では見えやすいという特徴があります。

勧められる生活習慣

  • 遮光眼鏡の使用:まぶしさ対策や紫外線防止のために、遮光眼鏡やサングラスを使用すると快適に過ごせます。

  • 定期的な眼科受診:病気の進行状況を把握し、必要に応じてロービジョンケアなどの支援を受けるために、定期的な受診が大切です。

  • 照明の工夫:室内照明や作業環境の明るさを調整することで、見やすさを改善できます。光源を直接見ない工夫も重要です。

  • 栄養バランスの良い食事:ルテインやオメガ3脂肪酸など、網膜の健康に役立つとされる栄養素を積極的に取り入れましょう。

避けるべき生活習慣

  • 過度な紫外線曝露:紫外線は網膜にダメージを与える可能性があるため、外出時には帽子やサングラスを活用してください。

  • 強い光の直視や長時間のスマホ・PC使用:光刺激が症状を悪化させることがあるため、休憩を挟んで使用しましょう。

  • 喫煙:網膜の血流を悪化させるため、禁煙が強く推奨されます。

現在のところ根本的な治療法はありませんが、早期からの対策や生活の工夫によって、より良い視生活を送ることが可能です。気になる症状があれば、かかりつけの眼科医にご相談ください。

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