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[No.1713] 理研、「10年ルール」で97人雇い止め:ニュース紹介

理研、「10年ルール」で97人雇い止め チームリーダーの研究者も:という記事が出ています。かつての日本では研究者は花形であり、眼科医でも視覚野研究をしようと研究への道を選んで勇んで理化学研究所に転職してゆく仲間をしばしば見ました。チームリーダーと言えば、いっぱしの研究者で、サイエンスやネイチャーなどにも掲載された論文を持っているような成果を上げている人も少なからずいました。しかし、最近の日本の科学や技術の研究者が置かれた地位は非常に不安定で、中途で研究者としてのキャリアを断念した人もいました。この理研の例は単にその一例であろうと思われます。自分が優れた成果だと主張してもそれがどこまで認められるかは不詳です。また、研究者は殆ど経済的に恵まれず、年に数回教室の研究費で学会旅行に参加できる程度の利得しか無いのはたしかです。経験を積むと、研究は続くでしょうが、後輩が持つであろう革新的ないアイデアは尽きても来るかもしれません。其処には労働者としての権利が主張できるような環境はなく、今後もさらに厳しくなることが予測されます。つまり、企業に勤めるサラリーマンに比べれば、研究者の地位はまことに不安定であると言わざるを得ないでしょう。しかし、世界的に見れば、日本では雇用者に対する雇用側の解雇権は弱く、職員に落ち度がなければ解雇は困難という状況です。今後、日本が世界に復権を果たしてゆくにはそこから変えてゆくことが求められているのかもしれません。

配信朝日新聞デジタル

降格して理化学研究所に残った研究者のひとりは「研究の評価、進捗(しんちょく)の検討もなしに10年で機械的に乱暴に雇用終了を強行した。雇用にとどまらず日本の科学技術の問題だ」と語った=18日、東京・霞が関

朝日新聞社

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