清澤のコメント:本日注射器やバイアルなどを詰めた40リットルの医療廃棄物を回収してもらいました。その時に、回収に来た方からこの論文の紹介を受けました。不適切な医療廃棄物の排出は、排出コスト削減の動機が小規模診療所からの規制医療廃棄物の不適正排出につながるという首都圏における検査と統計の結果から結論されていました。
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排出コスト削減の動機が小規模診療所からの規制医療廃棄物の不適正排出につながる:首都圏における検査と統計の証拠
DOI: 10.31662/jmaj.2022-0174 受理日: 2023年1月12日
概要
はじめに:医療廃棄物(RMW)の規制管理、特に小規模医療機関(病床数20床未満)からのRMWの不適正排出が注目を集めています。本研究では、小規模診療所におけるRMW容器の不適正排出を調査し、不適正排出のメカニズムを解析しました。
方法:不適正排出を密封不良、容器変形、過重量、容器汚染、容器破損等に分類して検査調査を実施。検査調査は2018年4月から2019年3月まで実施。合計2364本、64317リットルに相当。容器の体積と重量は約 13.19 Mg。
結果:RMW コンテナの約 38% が不適切な排出に分類されました。その主な内容は、不適切な密封(67.0%)、容器の変形(24.6%)、重量超過(6.31%)です。RMW を頻繁に排出することで、容器の排出間隔が短くなり、診療所スタッフの忘れによる人為的ミスが防止され、不適切な排出が減少する可能性があるという仮説が立てられました。しかし、検査結果はこの仮説を否定しました。この調査は、不適切な排出はおそらくどの診療所でも発生する散発的な出来事ではなく、特定の診療所で繰り返される出来事である可能性が高いことを示唆しています。また、排出コストの節約により、RMWが容器、特に大容量の容器に過剰に詰め込まれ、不適切な密封、容器の変形、そして最終的には重量超過が引き起こされる可能性が高いという仮説も立てられました。検査結果と統計分析により、この仮説が検証されました。この研究では、完全なシールに必要な大きな圧縮力が不適切なシールを引き起こす可能性があるというもう1つの仮説も検証しました。測定結果は不合格でした。しかし、彼らはまた、クリニックスタッフの性別と年齢が不適切な密閉に部分的に関連している可能性があることを示唆しています。
結論: RMW コンテナの不適切な排出は、ランダムではない事象であると考えられます。特定のクリニックでは、より大容量の容器を使用して不適切な排出を繰り返している可能性があります。排出コストの削減は、RMW のコンテナへの過剰充填を誘発し、コンテナの変形などのその後の問題を引き起こすことが提案されています。
Motivation to Decrease Discharge Cost Results in Improper Discharge of Regulated Medical Wastes from Small Clinics: Inspectional and Statistical Evidence in the Tokyo Metropolitan Area
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