ペンタス(クササンタンカ)の魅力と目にやさしい豆知識
通勤途中の高円寺緑道講演で、星形の小さな花をたくさん咲かせている植物を見かけました。今回ご紹介するのは、この鮮やかな花を咲かせる 「ペンタス(和名:クササンタンカ〔草山丹花〕)」 です。赤やピンク、紫などの花色があり、夏から秋にかけて長く咲き続けるため、庭や公園、公共の花壇でもよく利用されています。
ペンタスとはどんな花?
ペンタスはアフリカや中東原産の常緑多年草で、ギリシャ語の「5」を意味する penta に由来します。その名の通り、5枚の花びらを持つ小さな星形の花が集まって咲きます。強い日差しにも負けず、真夏でも生き生きと咲き続けることから「真夏の花壇の女王」と呼ばれることもあります。高さは30〜80cm程度で、蜜が豊富なため蝶や蜂を引き寄せる「バタフライフラワー」としても知られています。
花言葉と特徴
ペンタスの花言葉は「希望がかなう」「願い事」など。夜空に輝く星のような花の姿に、前向きな気持ちを重ね合わせた意味が込められています。丈夫で育てやすいため、家庭の庭先でもよく植えられています。
目の健康とのつながり
ペンタス自体が薬効を持つわけではありませんが、花壇や公園でペンタスを眺めながら戸外で過ごすことは、実は 子どもの近視予防 に役立ちます。
近年の研究では、一日2時間程度の戸外活動が小児の近視進行を約30%抑制する ことがわかっています。これは紫外線そのものではなく、自然光の明るさや遠くを見る時間が影響していると考えられています。
私は日常診療の中で、この「戸外活動」に加えて 低濃度アトロピン点眼 や オルソケラトロジー(夜間装用コンタクトレンズ) も推奨しています。これらは放置した場合の近視進行を、それぞれ独立して 約30%抑制 すると報告されています。つまり、三つの方法(戸外活動・低濃度アトロピン・オルソケラトロジー)は、いずれも近視進行予防の有効な柱であり、併用することでさらに効果が高まると考えられています。
高齢者にもうれしい花
また、ペンタスの赤やピンクといった強い色彩は高齢者にも見やすい色合いです。加齢により色覚が低下しても鮮やかな色の花は視認性が高く、気分の安定や認知機能の維持にもつながる可能性があるとされています。花を眺めることは、目だけでなく心の健康にも良い影響を与えます。
まとめ
ペンタス(クササンタンカ〔草山丹花〕)は、真夏でも鮮やかに咲き続ける丈夫で美しい花。屋外で花を楽しむ時間は、子どもの近視予防につながり、低濃度アトロピンやオルソケラトロジーと並ぶ大切な取り組みです。花壇の花をきっかけに戸外活動を増やすことは、目と心の健康を守る小さな一歩になるのです。
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