食堂 ムラッチョ ― 自由が丘の小さな隠れ家的な定食屋
自由が丘でランチのシリーズを続けておりますが、今回は駅からほど近いビルの2階にある隠れ家的なお店「食堂 ムラッチョ」さんを、診療終了後の時間に初めて訪れました。本日は「豚の生姜焼き定食」をいただきました。香ばしく焼かれた豚肉に、やや甘めのタレがほどよく絡み、白いご飯が進みます。定食には味噌汁と小鉢4品+1品がつき、量・味・バランスともに満足のいくものでした。夕方にはワインを一杯添えるのも楽しみ方の一つ。店主のおすすめで、コート・デュ・ローヌ産シラー種の赤ワインを出してくださいました(注)。定食屋で気取らず1杯のワインを楽しめるのも、ムラッチョさんならではの魅力です。
店名・場所と店構え
「食堂 ムラッチョ」は東京都目黒区自由が丘2丁目14-1「とり正」ビル2階にあります。駅から徒歩3分ほどの好立地で、階段を上がって扉を開けると、コの字型カウンターが10席ほど並ぶこぢんまりとした空間が広がります。外観はシンプルながらも温かみがあり、“街の定食屋”という言葉がぴったり。2階にあるため通りからは少し奥まって見え、まさに自由が丘の「隠れ家定食屋」といった趣です。
店の料理全般の特徴
ムラッチョの料理は「家庭料理にプロの丁寧さを加えた定食」。昼は日替わり定食や定番の「生姜焼き」「唐揚げ」「ハンバーグ」などを提供し、価格はおおむね1,000円前後、夜のワイン付きのディナーでも3000円と手頃。素材の味を大切にしながら、どの皿にも野菜や副菜が添えられており、栄養バランスに気を配った構成です。口コミでも「しっかり食べても胃が重くならない」「家庭の味だけどプロの仕事が感じられる」といった声が多く、男女問わず支持されています。
得意料理とメニュー構成
看板料理の一つは「国産牛すき焼き定食」。上質な牛肉と野菜を甘辛い割り下で煮込み、生卵を添えていただく王道のスタイルです。その他にも「鮭のホイル焼き」「鶏唐揚げの黒酢あん」「煮魚定食」など、和食をベースにしたメニューが豊富で、煮物や焼き魚など“家庭の温もり”を感じさせる品々が並びます。夜は定食に加えて一品料理やお酒も充実し、「夜定食とワイン一杯」という自由が丘らしい楽しみ方ができるのも特徴です。
経営者と店名の由来
店主は料理人として都内の飲食店で経験を積み、独立後にこの店を構えました。ニックネームの「むらっち」から「ムラッチョ」という店名がつけられたそうで、常連客の間では店主をそのまま“ムラッチョさん”と呼ぶ人も多いとか。SNSでも“ごはんもお酒も楽しめる食堂”と紹介されており、地域の人との距離が近く、気取らず声をかけられる人柄がこの店の空気を作っています。
店内の装飾と音楽
店内は木のカウンターと柔らかい照明が印象的で、清潔感のある落ち着いた雰囲気。壁には黒板メニューとミニチュアカーが並び、どこか昭和の喫茶店を思わせる温かさがあります。過度な装飾はなく、料理を引き立てるシンプルなデザイン。BGMは控えめで、この日は1950年代のジャズがゆったりと流れていました。昼は静かなランチタイムにぴったり、夜は軽い音楽が会話を邪魔しない程度に響き、くつろいだ時間を演出しています。
まとめ
「食堂 ムラッチョ」は、自由が丘の中心にありながら、まるで誰かの家に招かれたような温かさを感じさせる定食屋です。ランチでは家庭的な料理を気軽に、夕方以降は小さなカウンターでグラスワインを添えながら食事を楽しむこともでき、自由が丘の街にぴったりの“大人の隠れ家”。定食を通じて「安心・温かさ・おいしさ」を届ける、まさに心とお腹を満たす一軒です。
注;「コート・デュ・ローヌ(Côtes du Rhône)」のシラー種ワインは、フランス南東部ローヌ川沿いで造られる赤ワインの代表格です。シラー(Syrah)は、この地方の北部で特に多く栽培されるブドウで、深いルビー色と力強い香りが特徴です。黒コショウやスパイス、熟したベリーの香りが立ち、味わいはしっかりした渋みとコクを持ちながら、後味は意外とまろやかです。寒暖差の大きい北ローヌでは酸味と香りが引き締まり、上品でエレガントな味わいに仕上がります。中でも「コート・ロティ」や「エルミタージュ」などの産地が有名です。一方で、南部ではシラーがグルナッシュなどとブレンドされ、よりやわらかく果実味豊かなスタイルになります。豚の生姜焼きや牛のステーキ、ラムチョップなど、香ばしい肉料理とよく合うワインです、とのこと。
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